創作整数問題#63解法&創作整数問題#64

こんにちは。管理人の pencil です。今回の投稿で連続投稿日数の記録を54日に伸ばすことができました!

これまでは2017/02/18~04/10の53日が最長記録で、今後この記録を更新することは無いだろうと思っていましたので、これは快挙と言っても良いのではないでしょうか! 長引く自粛生活の恩恵(?)がこんなところに表れてしまいましたね…(笑)


創作整数問題#64


《問題#64》

$3^{4^5}+4^{5^6}$は$4000$桁以上の異なる2つの整数の積で表せることを示せ。

(創作問題)


誘導設問が無いと難問です。「異なる2つの整数の積」というところに着目すると何か思い付けるかもしれません。

 

証明問題につき、解答は次回掲載します!


創作整数問題#63(解き方)


$1$と$0$が交互に並んだ$63$桁の整数$$N=\underbrace{1010 \cdots 0101}_{63桁}$$が素数でないことを示せ。


前回少し触れましたが、このような$1$と$0$が交互に並んだ整数で素数であるものは $101$ だけです。これを示すことにします。

解答例

 

以下の補題を示す。

補題:$1$と$0$が交互に並んだ整数$n$で素数であるものは $101$ のみである。

 

$n$が偶数の場合は明らかに素数でないから、奇数の場合のみを考えればよい。以下、$k$を正の整数とする。

 

$1$と$0$が交互に並んだ $2k-1$ 桁の整数$n$に対して$99$を乗じると$$99n=\underbrace{9999 \cdots 9999}_{2k\text{桁}}$$となり、$$\begin{align} 99n &= 10^{2k}-1 \\ &= (10^{k}-1)(10^{k}+1) \end{align}$$と表せる。ここで、$10^{k}-1$ と $10^{k}+1$ は互いに素な奇数であり、$99n$は2つの異なる整数の積で表されている。

 

$n$が整数なので$9$および$11$は $10^{k}-1$ と $10^{k}+1$ のいずれか一方を割り切るが、いま $k \geqq 3$ とすると $\dfrac{10^{k}-1}{99}>1$ となり、$n$は少なくとも2つの異なる整数の積で表されるから素数ではない。よって$n$が素数になるとすれば $k=1,\,2$ のときに限られる。

 

$k=1$ のとき $n=1$ であり、これは素数ではない。

 

$k=2$ のとき $n=101$ であり、これは素数である。

 

以上より、$1$と$0$が交互に並んだ整数$n$で素数であるものは $101$ のみである。

(了)

よって補題より、$$N=\underbrace{1010 \cdots 0101}_{63桁}$$は素数でない


(コメント)

$99$を掛けるというところがミソでした。本解のように因数分解で解決しても良いですし、$N$が$101$で割り切れることを直接示してしまっても良いでしょう(寧ろこちらの方法で解く人の方が多いかもしれませんね…)。

 

因みに本問の$N$は以下に示した14個の素因数をもちます。

 

$N=$ 17 × 73 × 101 × 137 × 353 × 449 × 641 × 1409 × 19841 × 69857 × 976193 × 5882353 × 6187457 × 834427406578561


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