創作整数問題#69解法&創作整数問題#70

創作整数問題もいよいよ70問目です。過去問こちらに掲載していますので、是非覗いてみて下さい!


創作整数問題#70


《問題#70》

$\dfrac{2^{700}}{2^{70}+1}$ の$1$の位の数字を求めよ。

(創作問題)


手前味噌ながら面白い問題だと思います。因みに、すべての自然数$n$について $\dfrac{2^{700n}}{2^{70}+1}$ の$1$の位の数字は同じ値となります。

 

 

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答えは $\color{red}{5}$ です。

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創作整数問題#69(解き方)


$n$を正の整数とするとき、$2^n$は連続する2つ以上の正の整数の和として表せないことを示せ。


有名問題と言えるかもしれません。

解答例

 

以下、$m$、$k$ はいずれも正の整数とする。

 

$m-k$ から $m+k$ までの $2k+1$ 個の連続する正の整数の和は$$\begin{align} & \quad (m-k)+(m-k+1)+\cdots \\ & \quad \quad +(m-1)+m+(m+1)+\cdots \\ & \quad \quad \quad +(m+k-1)+(m+k) \\ &= \dfrac{1}{2}\{(m-k)+(m+k)\}(2k+1) \\ &=(2k+1)m \end{align}$$と表せるが、$2k+1$ は$3$以上の奇数である。

 

$m-k+1$ から $m+k$ までの $2k$ 個の連続する正の整数の和は$$\begin{align} & \quad (m-k+1)+\cdots \\ & \quad \quad +(m-1)+m+(m+1)+\cdots \\ & \quad \quad \quad +(m+k-1)+(m+k) \\ &= \dfrac{1}{2}\{(m-k+1)+(m+k)\} \cdot 2k \\ &=k(2m+1) \end{align}$$と表せるが、$2m+1$ は$3$以上の奇数である。

 

したがって、連続する2つ以上の正の整数の和はすべて$3$以上の奇数を約数にもつ。ここで、$2^m$ は$3$以上の奇数を約数に持たないから、連続する2つ以上の正の整数の和として表せない。

 


(コメント)

文字を置いて設定する、という整数問題の基本ができていれば何ということはありません。実は (偶数)×(1より大きい奇数) という形で表せる偶数は全て連続するいくつかの整数の和として表現できます。連続する正の整数の個数を偶奇で分けましたが、いっぺんに議論してしまっても構わないでしょう。

 

(2020/10/27 追記)

本問#69と全く同じ問題が2005年の第2回東大プレに文理共通問題として出題されています。


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