こんにちは。今年も4分の1が終わってしまいました。4月ということで、これから新生活が始まろうとしている人も多いのではないでしょうか。3月が別れの月なら4月は出会いの月ですね。かく言う私は今日も今日とて数学・・・。
さて、前回の問題#7は#6に引き続き記数法がテーマでしたが、ちょっと変わった出題だったかもしれませんね。お次の問題は記数法から離れて多項式の話題。
《問題#8》
$n^3$ が $2n+7$ の倍数となるような正の整数$n$をすべて求めよ。
(創作問題)
ありがちな問題ですね。多項式の可約判定は大抵であればユークリッドの互除法を利用しますが・・・。
» 答えはこちら 答えは $\color{red}{n=21、168}$ です。詳しい解答は後日。 » 閉じる
創作整数問題#7(解き方)
問題は以下のようなものでした。
ある地域では$10$進法が用いられておらず、$2000$円をその地域に持っていくとちょうど税込$1313$円の品物が$4$個買えるという。さて、この地域では何進法が用いられているか。 |
記数法については前問#6で触れた通りです。「ある地域」では$n$進法が使われているとし、題意を$10$進法の世界に直すと$$2000=4(n^3+3n^2+n+3)$$が成立します。よって$$\therefore 500=n^3+3n^2+n+3$$ $$\therefore 500=(n^2+1)(n+3)$$となりますから、この等式を満たす($3$より大きい)整数$n$を求めればよいことになります。$n$をあまり大きくすると右辺は$500$を超えてしまいます。少し調べるとこの等式の解として $n=7$ を得ます。故にこの地域では
$7$進法
が使われていることが分かります。
(コメント)
なかなか洒落た問題だったのでは・・・?(希望的観測)
記数法の問題を2題続けて出題しましたが、結局$10$進法に直して方程式を立てるという方針は変わりません。$n$進法と仮定して$n$の多項式を作るというのが記数法の問題の手筋です。
まずは必要条件から絞り込んでいき、十分性を確認できる程度の数まで絞り込めたら、あとはシラミ潰しで終了です。本問は文章題なので、条件がやや捉えにくかったかもしれませんが、数式化できればその後の処理は決して難しくはありません。
なお、$n=7$ 以外の解が存在しないことは $y=x^3+3x^2+x-497$ のグラフを描けばすぐ分かりますし、$$y = (x – 7) (x^2 + 10 x + 71)$$と変形できるので、やはり $n=7$ 以外の解が存在しないことが言えます。