3月も後半に差し掛かりました。時間があっという間に過ぎ去っていて年度末を感じます。
先日、大学の後期試験が実施され、今シーズンの受験が一段落しました。まだ問題に目を通せていない試験も多いのですが、今年話題を呼んだのは何と言っても共通テストの数学だったと言えます。今年の数学の難化は共通一次の時代まで遡っても前代未聞のレベルで、多くの受験生の進路に影響を与えたことでしょう。
今回の共通テストについては様々な議論がありますが、受験生側だけでなく、教育者の側にも指導方針の大幅なアップデートが求められているように感じる内容でした。来年は反動で易化するとの観測もありますが、題意を素早く把握する力は今年同様、高い水準で要求されるものと思います。
共通テストに移行して早2年。教育現場では、小手先の受験テクニックなどではなく、物事の本質を穿つ読解力と思考力の養成が求められています。
創作整数問題#89
《問題#89》
正の整数
(創作問題)
絞り込みが難しい問題です。
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求める最小の素数は
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創作整数問題#88(解き方)
立方数の和を求めてしまえば、あとは合同式で解決します。
解答例
題意の立方数の和を
そこでまず、
(2022/03/24追記)当サイトがお世話になっている H.N. たけちゃん さんからコメント欄にて別解(上記の解答例よりもシンプルな解法です!)をご教示頂きました。
お久しぶりです.
#88についてコメントします.
まず,つまらないことですが,
問題文中,解説中,解答例中のすべてに登場している「立法数」は,
正しくは「立方数」ですね.
解答ですが,次の方法も有力だと思います.
題意の和をSとすると,
S=Σ[k=1..n+7]k^3-Σ[k=1..n-1]k^3
=(((n+7)(n+8))^2-(n(n-1))^2)/4
=((n+7)(n+8)+n(n-1))((n+7)(n+8)-n(n-1))/4
=(2n^2+14n+56)(16n+56)/4
=4(n^2+7n+28)(2n+7).
n^2と7nは偶奇が一致するから,n^2+7n+28は偶数であり,Sはつねに8の倍数.
また,
n^2+7n+28=n^2+12n+28-5n=(n+6)^2-(5n+8)であり,
平方数(n+6)^2は,5で割った余りは0,1,4のいずれかだから,
n^2+7n+28は5で割り切れない.
したがって,Sが1000で割り切れる条件は,
「Sが5^3で割り切れること」,
「2n+7が5^3で割り切れること」
となって,これを満たす最小の自然数nは,
2n+7=125となる,n=59.
ちょっと補足,というか訂正です.
私の解答例中で,「S=」の式は,n=1に対しては不適切でした.
式の直前に「n≧2のとき」,直後に「結果はn=1でも成立.」
を付けておくのが本来ですね.
どうも失礼しました.
たけちゃん さん
お久しぶりですね!
コメント頂き、ありがとうございます。
ご指摘の通り、 などと変形してやれば平方剰余の議論が格段にシンプルになりますね。お見事です。