千葉大学2018年数学第3問

今年の千葉大の整数問題はいわゆる「西暦問題」でした。


《問題》

n2018+26の倍数となるような、n2017 を満たす自然数nのうち、3番目に小さいものを求めよ

(千葉大学2018年 第3問)


《考え方》

n2018+26の倍数となることと、n20186で割った余りが4であることは必要十分の関係にあります。そこで、6を法としたときの剰余類で場合を分けてn2018の余りを求めることにします。

nn=6N+r(ただし、Nは正の整数、r0以上5の整数である)と表すと、n20186で割ったときの余りは、r20186で割ったときの余りに一致します。このことは二項展開から容易に示すことができます。

以下では、すべての合同式をmod6 とします。

ア)n1 のとき、n201812018=1 となるので、このとき n2018+26の倍数になりません。

イ)n2 のとき、2104=22 であることを利用すると、n201822018=(210)201282410=(210)41282=(210)822218=2102821022=4となるので、このとき n2018+26の倍数となります。

ウ)n3 のとき、323 より、n201832018=3となるので、このとき n2018+26の倍数になりません。

エ)n4 のとき、イ)より 220184 なので、n2018=42018=(22018)2424となるので、このとき n2018+26の倍数となります。

オ)n5 のとき、51 より、n2018(1)2018=1となるので、このとき n2018+26の倍数になりません。

カ)n0 のとき、n20180となるので、このとき n2018+26の倍数になりません。

以上、ア)~オ)より、題意を満たすn6N±2 型の整数であることが分かります。よってこのようなnで、2017以上のもののうち、3番目に小さいものは2024と求められます。


(コメント)

見かけがやや取っつきにくい問題ですが、要求される作業は単純です。

また、6を法とせず、23を別々に法として考えると計算量をかなり削減できます。

《略別解》

6n2018+2 2n2018+2 かつ 3n2018+2

より、n0(mod2) かつ n1(mod3) が必要。故に題意を満たすn6N±2 型の整数に限る。これより2024と求められる。



別解のように23を別々に法とすれば、ものの数分で答案を書き上げられますね。なお、20242018+26672桁の整数です。

 

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