しつこい花粉に悩まされる日が続いていますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか・・・?
今回は千葉大の整数問題を取り上げます。
《問題》
正の約数の個数がちょうど個であるような、以上の自然数の中で最小のものをとする。
(1)を求めよ。
(2)を求めよ。
(千葉大学2019年 大問3)
《考え方》
本問はそれほど難しいわけではありませんが、約数の個数と素因数の個数や累乗の数の関係を把握しているとやや有利になる問題です。
ある整数が素因数、、、を用いて(ただし各の値はいずれも正の整数値)と表せるとき、この整数の約数の個数はと表せます。このことはほとんど自明なので断りなく利用して良いと思いますが、心配であれば一文で良いので断り書きをしておきましょう。この性質を知っていると本問のような約数の個数に関する問題に遭遇したとき、見通し良く解答できます。
また、(2)では素因数の選び方について場合分けが必要になります。
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解答例
(1)
は約数の個数が個なので素因数を用いてと表せる。このうちで以上の自然数となるのは のときで、
(2)
は異なる素数、を用いてもしくはと表せる。
のとき、 より、となる。
のとき、 とすると、となる。が以上の自然数となるのは のときで、である。
とすると、となる。が以上の自然数となるのは のときで、である。
とすると、となり、 より、となる。
以上より、求めるの値はとなる。
(コメント)
冒頭で説明した通り、素因数の冪と約数の個数は密接に関係しています。この関係から、「約数の個数が奇数ならば平方数である」という命題が真であることが分かります。実際、やは平方数になっています。
(2)については、このことを活かした別解も考えられます。
別解
(2)
は異なる素数、を用いてもしくはと表せる。
のとき、 より、となる。
のとき、 とすると、となる。が以上の自然数となるのは のときで、である。
(ここまでは同じ)
がより小さい値をとるとして、その値ととの差を(ただし )と置き、とすると、 と整理できる。は正であるからであり、である。これよりとなるから等式を満たすような素数、の組は存在しない。
以上より、求めるの値はとなる。
この方法は例えば、「正の約数の個数がちょうど個であるような、以上の自然数の中で最小のものをとする。」というような場合に使えそうです(この設定の下では となります)。
ただ、という下限の値は比較的小さいので、本解のように場合分けして素直に計算した方が速そうですね。
間違ってたらすみませんが1976=(44)²ではないでしょうか。
1976ではなく1936に間違いです。
Luna さん
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