方程式の整数解に関するお手頃な演習問題ですが、掘り下げてみると意外に奥が深い問題かもしれませんね・・・。
《問題》
(学習院大学2003 前期(文)第3問)
《考え方》
方程式型の解法は大きく分けて因数分解か解の公式のいずれかです。本問の場合、因数分解が役に立たないので解の公式で攻めます。
まず、
となり、このうち2つの
です。
(別解もあります)
さて、本問は次のような別解で解答することもできます。
与式の両辺を
の6組です。よって求める整数
となります。
(コメント)
普通に解く分には前者の解答で十分ですが、後者の平方完成による解答も注目に値します。
つまり、1次の項の「
《改題①》
(学習院大学2003 前期(文)第3問 改題①)
《考え方》
さて、両辺に
の6組です。よって求める整数
となります。
(コメント)
答えの数は減りましたが、この改題でも十分立派な試験問題として機能しそうです。当時の出題者はワンランク上を目指したのでしょうか・・・(笑)?
改題①は本問のパワーダウン型ですが、無限にパワーアップさせることもできます。では次の問題をどうぞ。
《改題②》
(学習院大学2003 前期(文)第3問 改題②)
《考え方》
本問を1段階パワーアップさせてみました。
まず自力で解いてみましょう。やることはこれまでと同じです。
・・・答えは出ましたか?
諸々の計算により、求める
となります。
(コメント)
いかがでしょうか。普段あまり気にすることのない問題の裏側まで覗いてしまった気分になりませんか? ・・・・・・ならない?
・・・いずれにせよ、作問サイドがあれこれ考えていることを幼気な受験生に対して詳らかにする必要がある訳ではありませんが、こういう一問一問の奥深さに気付くことで受験生の数学に対する面白さが芽生えてくれればなあ、と思う今日この頃です。