今年の山梨大学医学部後期の数学には二項係数の和に関する問題が出ていましたが、今日はそちらではなく第6問の方をご紹介します。これも手垢の付いた問題です。
《問題》
素数 $p、q$ に対して、$\sqrt{p}$ および $\sqrt{p}+\sqrt[3]{q}$ が無理数であることを示せ。
(山梨大学2017 (医)後期第6問)
《考え方》
超が付くほどの有名問題ですので、$\sqrt{p}$ が無理数であることは省略。
問題は $\sqrt{p}+\sqrt[3]{q}$ の方ですが、$\sqrt{p}$ が無理数であることを利用したいので、これをちょっといじって3乗してやります。もしこれを2乗とかしてしまうと3乗根が残ってしまい煩雑になってしまいますので、2乗するメリットはありません。
$\sqrt{p}+\sqrt[3]{q}$ が有理数であると仮定し、互いに素な整数 $m、n$ を用いて$$\sqrt{p}+\sqrt[3]{q}=\dfrac{n}{m}$$と置きます。これより$$\sqrt[3]{q}=\dfrac{n}{m}-\sqrt{p}$$となるので両辺を3乗して、$$q=\dfrac{n^3}{m^3}-\dfrac{3n^2}{m^2} \sqrt{p} +\dfrac{3pn}{m}-p\sqrt{p}$$ $$\therefore q-\dfrac{n^3}{m^3}-\dfrac{3pn}{m}=-\left(\dfrac{3n^2}{m^2}+p \right)\sqrt{p}$$となります。左辺は有理数、右辺は無理数なので不合理。
よって $\sqrt{p}+\sqrt[3]{q}$ は無理数です。
(コメント)
あっさり証明できました。最後の「右辺は無理数」というのが怪しいと感じるなら、無理数の有理数倍が無理数であることの証明も付けておくと良いでしょう。
$n$乗根があれば$n$乗する、というのは定石としておきたいですね。