岡山大学では2000年代初期に整数分野からほぼ毎年出題されていましたが、その後は5年に一度くらいしか出題されていませんでした。しかし最近になってまた整数問題の出題頻度が上がっていますから、しっかりと対策しておきたいところです。昨年よりは解きやすい問題だと思います。
《問題》
自然数$a$を$7$で割った余りを$R(a)$と書くことにする.このとき以下の問いに答えよ.
(1)すべての自然数$n$に対して $R(2^{n+3})=R(2^n)$ となることを示せ.
(2)$R(2^{2017})$を求めよ.
(3)自然数$m$が $R(2^{2017}m+2^{29})=5$ を満たすとき、$R(m)$の値を求めよ.
(岡山大学2017 文系前期第2問)
《考え方》
$\text{mod} \ 7$ で考えましょう。慣れてくれば $2^3=8 \equiv 1 \pmod{7}$ に自力でも気付けますが、親切に(1)で誘導設問を付けてくれています。
$$2^{n+3}=8 \cdot 2^n \equiv 1 \cdot 2^n \pmod{7}$$ですから、$$2^{2017}=(2^3)^{672} \cdot 2 \equiv 1^{672} \cdot 2 \pmod{7}$$となるので $R(2^{2017})=2$ です。
(1)と(2)の結果から、$$2^{2017}m+2^{29} \equiv 2 \cdot m + 2^2 \pmod{7}$$となるので、$2m+4$を$7$で割った余りを考えればよいことになります。つまり合同方程式$$2m+4 \equiv 5 \pmod{7}$$の解を求めることになります。これより$2m \equiv 1 \pmod{7}$ですから、これを満たす$m$を$0$~$6$の間で探すと、$m \equiv 4 \pmod{7}$を得ます。故に$$R(m)=4$$と求められます。
(コメント)
合同式に慣れていれば易問です。$R(a)$の表記に惑わされてしまうことのないように、何が本質かを理解できるよう普段の勉強から意識しておきたいですね。このタイプの問題は難関大学で割と出題されやすいので、剰余類の使い方についてはマスターしておくのが望ましいでしょう。
本問のように$2$のべき乗は $a_{n+1}=2a_n$ という漸化式表現が可能なので、剰余類は一定の周期をもつことが分かります。本問(1)はその証明の誘導になっています。
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