どうも、管理人です。
国立大学の二次試験まであと一週間ということもあり、今回はちょっとした数学の話題を提供してみます。
微分と積分の操作は皆さんよくご存知でしょうが、数列にもこの考え方が応用できるという話です。
例えば$a_n=2n+1$で定義される数列を考えてみます。これを$f(x)=2x+1$と読み替えると、$$f'(x)=2、\displaystyle \int f(x) dx=x^2+x+C $$です。微分すると次数は1つ下がり、積分すると次数は1つ上がっています。
では、$a_n=2n+1$の階差数列$b_n$をとると$b_n=2$であり、$1$項目から$n$項目までの総和$S_n$をとると$S_n=n^2+2n$となります。
何か気付きませんか?そうです。次数の変化が$f(x)$の場合と同じなのです。
ではもう一つ、$a_n=n^2+3n-4$で定義される数列を考えてみます。これを$f(x)=x^2+3x-4$と読み替えると、$$f'(x)=2x+3、\displaystyle \int f(x) dx=\dfrac{1}{3} x^3+\dfrac{3}{2}x^2 -4x +C$$です。上と同様に、微分すると次数は1つ下がり、積分すると次数は1つ上がっています。
では、$a_n=n^2+3n-4$の階差数列$b_n$をとると$b_n=2n+4$であり、$1$項目から$n$項目までの総和$S_n$をとると$S_n=\dfrac{1}{3}n^3+2n^2-\dfrac{7}{3}n$となります。
上記の事実から、階差と総和には微分積分と何か関係があると考えられます。
差を取るという操作は$\dfrac{f(n+1)-f(n)}{(n+1)-n}$に対応し、やはり導関数に類似します。また、和をとるという操作は$f(1)+\displaystyle \sum^{n-1}_{k=2} f(n)$に対応し、こちらもやはり積分に類似します。
実は一般項が$n$の$k$次式で表される数列は$k-1$回だけ階差をとると等差数列となることが知られています。数列の一般項を求めるとき、検算だけであれば最初の数項を代入するだけで「数値代入法」により数列の一般項を特定できます。
ピンポイントで役立つ場面はあまり思いつきませんが、知っておいて損は無いと思います。例えば、一般項が$n$の$3$次式で表される数列の階差数列は$n$の$2$次式となります。次数のチェックに利用できるので、是非覚えておきましょう。