各予備校のセンター試験の平均点予想を眺めてみると、理系も文系もおよそ昨年並みのようですが、文系の方が少し難化したようです。得点調整も無さそうなので、良質な試験だったと言えますね。
今回は今年のセンター数ⅠAの第4問で出題された整数問題を解説します!
(1)を素因数分解するとであり、の正の約数の個数は個である。
(2)不定方程式の整数解、の中で、の絶対値が最小になるのはであり、すべての整数解は、を整数としてと表せる。
(3)の倍数で、で割ったら余りがとなる自然数のうち、正の約数の個数が個である最小のものは であり、正の約数の個数が個である最小のものは である。
オーソドックスなタイプの整数問題ですが(3)は慣れていないとやや難しいかもしれません。因みに不定方程式は2016年に出題歴があります。
(1)
ですから、正の約数の個数はと求められます。
(2)
がの倍数なので の組、即ち、の組は割と簡単に見つけられると思います。 の両辺から を辺々差を取って、 を得ます。これより、 はの倍数でなければならず、 はの倍数でなければならないので、すべての整数解は整数を用いてと表せます。
(3)
約数の個数は素因数の種類が増えると一気に増えてしまうのでにはかが入ると考えられます。もしなどが入ると約数の個数はいきなり 個になってしまいます。そこで試しにを入れるととなるので約数の個数は 個となり、また、はで割ったら余りがとなる自然数なので適します。したがってです。
次にを考えますが、こちらは候補が多そうなので絞り込みを考えます。はで割ったときの余りがですから、に入る数をとすると、は少なくとも合同式を満たす必要があります。したがってこれよりはで割ったときの余りがでなければならないことが分かりますから、にはで割ったときの余りがであるような2桁の自然数しか当てはまりません。
またここで、の正の約数の個数は既に個存在し、 であることに注意すると、はかかか、もしくは素数でなければならないことが分かります。 も も もで割ったときの余りがでないので、にはで割ったときの余りがであるような2桁の素数が当てはまることになります。このような数を小さい方から探していくと が見つかります。このとき確かに はで割ったら余りがとなる自然数であり、かつ正の約数の個数が個となっていますので、です。
今回の数ⅠAの全体的な問題量を考えれば、良心的なレベルでしょう。確実に得点したいところですね。
(2)のy=21はy=41の間違いでは??
コメントありがとうございます。
ご指摘の通り、 ですので、正しくは ですね。訂正させて頂きました。
ご指摘に感謝致します。