こんにちは。管理人のpencilです。
前回に引き続き、二次対策も兼ねて今年のセンター数学ⅠAの第4問を解説していきます!
《問題》
National_Center_Test_2020_math_ia_p4(センター試験2020年 数学ⅠA 第4問)
記数法に関する出題は2016年以来、4年ぶりで、追試験まで含めると、2年ぶりの出題となりました。記数法を題材とした整数問題は不定方程式、倍数・約数の性質などと並んで頻出の分野です。当サイトの創作整数問題でも、#6、#7、#48、#57などで記数法を扱っています。循環小数も絡めて出題されたため、つまづくポイントの多い問題となったかもしれません。
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解答例
(1)
$$100 \times x-x=236.\dot{3}\dot{6}-2.\dot{3}\dot{6}=234$$であるから、$$99x=234$$ $$\therefore x=\dfrac{234}{99}$$ $$\therefore x=\dfrac{\color{red}{26}}{\color{red}{11}}$$と求められる。
(2)
$$\begin{aligned}
49 \times y-y &=10^{2}_{(7)} \times 2 . \dot{a} \dot{b}_{(7)}-2 . \dot{a} \dot{b}_{(7)} \\
&=2 a b . \dot{a} \dot{b}_{(7)}-2 . \dot{a} \dot{b}_{(7)} \\
&=2 a b_{(7)}-2_{(7)}
\end{aligned}$$であるから、十進法に直して計算して、$$48 y=\left(2 \times 7^{2}+a \times 7+b\right)-2$$ $$\therefore 48y=96+7 \times a+b$$ $$\therefore y=\dfrac{\color{red}{96}+7 \times a+b}{\color{red}{48}}$$を得る。
〔ⅰ〕
$y$が、分子が奇数で分母が$4$である分数で表されるとき、$96+7a+b$ は$12$の奇数倍であることが必要である。
いま、$96=12 \times 8$ より、$7a+b$ が$12$の奇数倍であればよい。ここで、$a$、$b$は$0$以上$6$以下の異なる整数であるから、$$1 \leqq 7 a+b \leqq 47$$を満たす。この範囲にある$12$の奇数倍は、$12 \times 1=12$、$12 \times 3=36$の2つである。よって、$$y=\dfrac{96+12}{48}=\dfrac{\color{red}{9}}{\color{red}{4}}, \quad y=\dfrac{96+36}{48}=\dfrac{\color{red}{11}}{\color{red}{4}}$$を得る。
$y=\dfrac{11}{4}$ のときは $7a+b=\color{red}{36}$ であるから、$$a=\color{red}{5},\ b=\color{red}{1}$$となる。
〔ⅱ〕
$y-2=\dfrac{7 a+b}{48}$ であることに注意する。これが、分子が$1$で分母が$2$以上の整数である分数で表されるとき、$7a+b$ は $(48 \div 2=)24$ 以下の$48$の正の約数であることが必要である。
$7a+b=24$ のとき、$(a, b)=(3,3)$
$7a+b=16$ のとき、$(a, b)=(2,2)$
$7a+b=12$ のとき、$(a, b)=(1,5)$
$7a+b=8$ のとき、$(a, b)=(1,1)$
$7a+b=6$ のとき、$(a, b)=(0,6)$
$7a+b=4$ のとき、$(a, b)=(0,4)$
$7a+b=3$ のとき、$(a, b)=(0,3)$
$7a+b=2$ のとき、$(a, b)=(0,2)$
$7a+b=1$ のとき、$(a, b)=(0,1)$
となるが、$a \ne b$ なので6通りと求められる。
(コメント)
前半が記数法の問題で、後半が約数の問題でした。「$7$進法」に戸惑った受験生もいたと思われますが、十進法に直して考えればそこまで複雑な設問ではありません。後半部分は数え上げのミスに注意しましょう。
新テストは思考力の測定をウリにしているくらいですから、当然、整数問題も出題されると考えて間違いないでしょう。来年はどんな整数問題が出題されるのでしょう?