藤田医科大学の前期試験から5乗根の和に関する問題を紹介します。
《問題》
、 のとき、次の問いに答えよ。
(1) を求めよ。
(2) は正か、負か、かを判定せよ。
(藤田医科大学2017年 第3問)
《考え方》
5乗根が登場しますが見かけ倒しの問題です。(2)では(1)の結果を上手く利用して解決しましょう。また、 と の対称式から の値を求める方法もあるので、別解として紹介しておきます。
解答例
(1)
(2)
(1)より であるから、となる。 より の符号は の符号に一致する。 のとき は の前後で符号が変わるので、 と の大小を比較すればよい。
ここで、であるので、が成り立つ。したがってとなるから、と判る。
(答)
(2)別解
であり、②より、を得る。ここで下線部はと変形できるが、 よりとなる。ここで と置くと、 と表せるから、下線部は となる。よって、 と式変形できる。 であるからこの方程式の解は に限られ、を得る。したがって、と判る。
(コメント)
共役な乗根の和や差は整数などの簡単な数になることがあります。本問はそうした事実を背景とする問題です。3重根の場合だと、2002年大阪教育大後期、2009年東北大後期、2015年横浜市立大(医)、2017年和歌山大学(文系)などに類題があります。
(2)は別解のように対称式を使って差を求めることもできますが、計算量が多くなるのであまりお勧めできません。なお、二重根号の外し方については前回の記事「二重根号を外す色々な方法」で詳しく扱っていますので、是非参照してみて下さい。途中のの括りだしでは組み立て除法を使うのが良いでしょう。