創作整数問題#8解法&創作整数問題#9

多項式の可約判定は難関大の入試で取り上げられることが多いですが、解法はほぼワンパターンです。2変数になってもまずは次数下げから考えます。


《問題#9》

正の整数 mn は互いに素であるとする。m2+n2m+2nが整数となるような組(m,n)をすべて求めよ。

(創作問題)


「互いに素」という条件が効いてくる問題です。2文字になってフクザツそうですが、まずは分子の次数下げから。

 

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答えは \colorred(m,n)=(1,2)(3,1) です。詳しい解答は後日。

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創作整数問題#8(解き方)


問題は以下のようなものでした。

分数式化すると大変見通しが良くなるのですが、計算を始める前に少し細工をします。

2n+7 は奇数ですから2と互いに素です。これは当たり前ですね。これにより 2n+7n の最大公約数と 2n+72n の最大公約数は変わらないことが言えます。22n+7 の素因数とならないことから納得できると思いますし、これはユークリッドの互除法からも自明です。したがってn32n+7を整数にするn(2n)32n+7を整数にするnは変わらないことが言えます。

もちろん、必ずしもこのような操作をしなければならないわけではありません。割り算をラクに行うために2nを代入するという小細工を施しただけのことです。当然、後から8倍しても一向に構いません。

以上により(2n)32n+7を整数にするnを求めれば良いので、割ってみると、      (2n)32n+7=4n214n+732n+7となります。これが整数となるためには 2n+773 の約数となることが必要ですから 2n+7>7 に注意すると

2n+7=72 または 73

に限られます。よって求める正の整数nn=21168となります。


(コメント)

1変数多項式の可約判定問題は過去に様々な大学で出題されています。最近だと2017年と2015年の学習院大、2015年の上智大(文系)、2013年の千葉大など、ちょっと遡ると1992年の一橋大などが見当たります(他にもご存知の方は教えて頂けると幸いです)。

2変数以上になると1変数よりは複雑になりますが、大学入試ではそれほど激しい問題は出題されないと思います。出題したところで全然差が付かないので・・・。

 

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