【大学微積】基本的な整級数展開一覧

大学範囲の微積分野の備忘録として、今回は基本的な関数の整級数展開(マクローリン展開)を一覧にしました!


「整級数展開」は大学初年度の解析の授業で習います。整級数展開の可能性について、以下の定理が知られています。

定理
$f(x)$は $|x|<r$ で無限回微分可能な関数とする。$|x|<r$ で定義された連続関数$g(x)$で、すべての$n$とすべての$x$($|x|<r$)について$$\left|f^{(n)}(0)\right| \leqq g(x)$$が成り立つものが存在するならば、$f(x)$は $x=0$ で整級数展開が可能で、$$f(x)=\displaystyle \sum_{n=0}^{\infty} \dfrac{f^{(n)}(0)}{n!}x^n$$が成り立つ(ただし$r$は実数)。

以下に基本的な関数を整級数展開した結果を示します。

$\dfrac{1}{1-x}=\displaystyle \sum_{n=0}^{\infty} x^{n} \quad(|x|<1)$

$\dfrac{1}{1-x^\alpha}=\displaystyle \sum_{n=0}^{\infty} x^{\alpha n} \quad(|x|<1)$

$(1+x)^{\alpha}=\displaystyle \sum_{n=0}^{\infty} \binom{\alpha}{n} x^{n} \quad(|x|<1)$

※$\binom{\alpha}{n}$の記法については下記参照。

$\log (1+x)=\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} \dfrac{(-1)^{n+1}}{n} x^{n} \quad(|x|<1)$

$\sqrt{1+x}=1+\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} \dfrac{(-1)^{n-1}(2 n-3) ! !}{(2 n) ! !} x^{n} \quad(|x|<1)$

$\dfrac{1}{\sqrt{1-x}}=\displaystyle \sum_{n=0}^{\infty} \dfrac{(2 n-1) ! !}{(2 n) ! !} x^{n} \quad (|x|<1)$

$\dfrac{1}{\sqrt{1-x^{2}}}=\displaystyle \sum_{n=0}^{\infty} \dfrac{(2 n-1) ! !}{(2 n) ! !} x^{2 n} \quad (|x|<1)$

$\dfrac{1}{\sqrt{1+x^2}} = \displaystyle \sum^{\infty}_{n=0} \dfrac{(-1)^{n} \cdot (2n-1)!!}{(2n)!!} x^{2n} \quad (|x|<1)$

$\tan ^{-1} x=\displaystyle \sum_{n=0}^{\infty} \dfrac{(-1)^{n}}{2 n+1} x^{2 n+1} \quad (|x|<1)$

$\sin ^{-1} x=\displaystyle \sum_{n=0}^{\infty} \dfrac{(2 n-1) ! !}{(2 n) ! !} \cdot \dfrac{x^{2 n+1}}{2 n+1} \quad (|x|<1)$

$\cos^{-1}x = \displaystyle \dfrac{\pi}{2}-\sum^{\infty}_{n=0} \dfrac{(2n-1)!!}{(2n)!!}\cdot\dfrac{x^{2n+1}}{2n+1} \quad (|x|<1)$

$e^{x}=\displaystyle \sum_{n=0}^{\infty} \dfrac{x^{n}}{n !} \quad(x \in R)$

$\sin x=\displaystyle \sum_{n=0}^{\infty} \dfrac{(-1)^{n}}{(2 n+1) !} x^{2 n+1} \quad(x \in R)$

$\cos x=\displaystyle \sum_{n=0}^{\infty} \dfrac{(-1)^{n}}{(2 n) !} x^{2 n} \quad(x \in R)$

$\tan x$ のマクローリン展開は $\sin x$ や $\cos x$ のように簡単な級数の表示を持ちませんが、ベルヌーイ数$B_n$を用いれば以下のように表現することができます。$$\tan x=\displaystyle\sum_{n=1}^{\infty}\dfrac{(-1)^{n-1}2^{2n}(2^{2n}-1)B_{2n}}{(2n)!}x^{2n-1}$$これを導出するのは難しいので $\tan x$ の整級数展開は多くの教科書では扱われていません。$\tan x$ を10次まで展開すると$$x+\frac{1}{3}x^{3}+\frac{2}{15}x^{5}+\frac{17}{315}x^{7}+\frac{62}{2835}x^{9}+O(x^{10})$$となりますが、一般式を求めさせるような問題は恐らく試験に出ないでしょう。一方で $\tan ^{-1} x$ の整級数展開は比較的単純な形で表すことができるため、試験では出題されやすいでしょう。

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拡張された二項係数 $\displaystyle \binom{\alpha}{n}\ (={}_{\alpha}\mathrm{C}_{n})$ は以下のように計算できます。$$\displaystyle \binom{\alpha}{n}=\left\{\begin{array}{cc}{\dfrac{\alpha(\alpha-1) \cdots(\alpha-n+1)}{n !}} & {(n \geqq 1)} \\ {1} & {(n=0)}\end{array}\right.$$ここで、$$n ! !=\left\{\begin{array}{cc}{n(n-2)(n-4) \cdots 2} & {\left(n:\text{偶数}\right)} \\ {n(n-2)(n-4) \cdots 1} & {\left(n:\text{奇数}\right)}\end{array} \right.$$であり、$0 !=(-1) ! !=1$ です。


整級数展開は「母関数」とも関連の深い関数の表示方法で、色々と面白い性質を持っています。母関数については当ホームページの「母関数について」のページで詳しく解説していますので、是非ご覧ください!

 

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