一次不定方程式が解をもつ条件(2021年東北大学後期共通数学第1問)

今年の東北大学の後期では一次不定方程式に関する一般的な問題が出題されました。


 

整数$m$が与えられたとき、整数$k$、$l$ についての方程式$$(*) \quad 48k + 18l = m$$を考える。

(1)次の空欄に入るべき$m$に関する条件を答えのみ記せ。

与えられた整数$m$に対し、$(*)$が整数解$(k,\,l)$をもつための必要十分条件は $\boxed{      }$ である。

(2)上の(1)で記した空欄の条件が必要十分条件であることを示せ。

(3)$m=540$ のとき、方程式$(*)$を満たす正の整数$k$、$l$ の組$(k,\,l)$をすべて求めよ。

(2021年東北大学 後期共通 第1問)

 

 考え方

一次不定方程式の問題は頻繁に出題されますが、定数項が変数になっている一般化された問題は少し珍しいですね。方程式$(*)$の左辺は$6$の倍数なので少なくとも$m$は$6$の倍数でなければなりません。実はこれが(1)で答えるべき必要十分条件です。これを示すのが(2)ですが、必要十分条件であることは必要性と十分性に分けて示すと良いでしょう。(3)では「正の整数」であることに注意して整数組を求めます。


解答例

 

(1)

与えられた整数$m$に対し、$(*)$が整数解$(k,\,l)$をもつための必要十分条件は

$m$が$6$の倍数であること

である。

 

 

(2)

与えられた整数$m$に対し、$(*)$が整数解$(k,\,l)$をもつための必要十分条件が「$m$が$6$の倍数であること」であることを示す。

 

$(*)$が整数解$(k,\,l)$をもつとき、$$48k + 18l = m$$より、$$m=6(8k+3l)$$と表せる。$k$、$l$ は整数であるから整数$m$は$6$の倍数である。

 

また、$m$が$6$の倍数のとき $m=6M$($M$は整数)と置けて、方程式$(*)$は$$48k+18l=6M$$ $$\therefore 8k+3l=M$$となる。ここで $(k,l)=(-M,3M)$ はこの方程式の解であるから、$m$が$6$の倍数のとき方程式$(*)$は整数解をもつ。

 

以上より、示された。

 

 

(3)

$$48k + 18l = 540$$ $$\therefore 8k+3l=90 \quad \cdots ①$$ここで$$8 \cdot 0 +3 \cdot 30=90$$を①の両辺から辺々引くと、$$8k+3(l-30)=0$$ $$\therefore 8k=-3(l-30)$$を得る。ここで$8$と$3$は互いに素であるから、整数$j$を用いて $k=3j$、$l-30=-8j$ と置ける。よって、$j$が整数の範囲で $(k,l)=(3j,30-8j)$ が正の整数組になるものを調べればよい。

 

これより、$$(k,l)=\color{red}{(3,22),(6,14),(9,6)}$$の3組を得る。これが求める整数解である。

 


 

(2)の証明で固まってしまった受験生がいたかもしれませんが、必要十分性は必要性と十分性に分けて示すのが一般的です。この基本が身に付いていれば証明できたはずです。(3)はごく普通の一次不定方程式の問題なので完答しなければなりません。もし(2)の証明で詰まっていたとしても、飛ばして(3)だけでも解いておくべきです。

(2)で得られた$(-M,3M)$という一般解を利用して(3)で$(-90,270)$を代入した式を引いても良かったのですが、解答例ではあまり数字が大きくならないように解いています。得られる答えは一致するので、どうやって解くかは好みの問題ですが。

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