創作整数問題#11解法&創作整数問題#12

久々の更新です。連続投稿日数の記録は2月18日から4月10日までの53日となりました。今後これを塗り替えるのはかなり難しいと思います・・・。薄っぺらな記事を書こうと思えばいくらでも書けますが、やはり内容のクオリティは大切にしていきたいですね。(趣味にクオリティも何も無いと言われれば黙るしかありませんが(笑))


《問題#12》

$N=7^a+5b+1$ が$8$の倍数となるような正の整数$a$、$b$の組は $1 \leqq a \leqq 8$、 $1 \leqq b \leqq 8$ の範囲に何組存在するか。

(創作問題)


冪の剰余に関する問題です。問題#4以来、剰余をテーマにしていませんでした。まず正の整数$a$、$b$について条件が決まりますので、そこから絞り込んで行きましょう。$5^b$じゃなくて$5b$です。念のため。お間違えの無いよう・・・。

 

 

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答えは $\color{red}{8}$ です。

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創作整数問題#11(解き方)


前回は本格派のディオファントス方程式でした。誘導問題を付けたので大分解きやすくなったと思います。

正の整数$a$、$b$は方程式$$3^a=2^b+1 \tag*{・・・・・・①}$$を満たす。

(1)$b$は奇数であることを示せ。また $b \geqq 3$ のとき$a$は偶数であることを示せ。

(2)方程式①を満たす正の整数の組$(a,b)$をすべて求めよ。

まず(1)です。$b$が偶数だとして $b=2B \ (B \in \mathbb{N})$ と置いてみます。すると右辺は$$\begin{align} 2^{2B}+1 &=4^B+1 \\ &\equiv 1+1 \pmod{3}\\ & \equiv 2 \pmod{3} \end{align}$$となりますから$3$の倍数にはなり得ません。したがって$b$は奇数であることが必要です。

次に $b \geqq 3$ のときに$a$が奇数とし、与式について$4$を法として合同式を考えると、$$(-1) \equiv 1 \pmod{4}$$となり矛盾します(∵$b \geqq 3$ のとき$2^b$は$4$の倍数)。したがって $b \geqq 3$ のとき$a$は偶数であることが必要です。

(2)では因数分解を利用します。$b=1$ のとき $a=1$ となります。(1)より$b$は奇数ですから以下、$b \geqq 3$ とします。(1)より $b \geqq 3$ のとき$a$は偶数ですので $a=2A \ (A \in \mathbb{N})$ と置けます。これより、$$\begin{align} 3^{2A}-1&=2^b \\ \therefore (3^A-1)(3^A+1)&=2^b \end{align}$$となり、$$\begin{cases} 3^A-1=2^n \\ 3^A+1=2^{b-n} \end{cases}$$が必要です($n$は負でない整数で $2n<b$ を満たす)。この2式の辺々の差を取ると$$2=2^{b-n}-2^n $$ $$\therefore 2=2^{n}(2^{b-2n}-1)$$を得ます。$2^{b-2n}-1$は奇数なので結局$$\begin{cases} 2=2^{n} \\ 1=2^{b-2n}-1 \end{cases}$$が必要です。よって$$n=1、b=3$$を得ますから、$$a=2$$と求められます。$b \geqq 3$ のときはこれ以外の組合せが無いので求める組は$$(a,b)=(1,1)、(2,3)$$となります。


(コメント)

間違えても(2)の差を取るべきところで和を取って$$2 \cdot 3^A=2^{n}(2^{b-2n}+1)$$としてはいけません。差を取るのは変数を含む$3^A$を消去するためです。注意しましょう。

本問の方程式はカタラン予想(ミハイレスクの定理)と密接な関係があります。カタラン予想(ミハイレスクの定理)とは、

「$a,b \in \mathbb{N}>1$かつ $x^a-y^b=1$ を満たす$2$以上の非負整数組$(x,y)$は$\begin{cases} a=2 \\ b=3 \end{cases}$かつ$\begin{cases} x=3 \\ y=2 \end{cases}$に限る」

というものです。「予想」と名が付いていますが現在では解決されています。長い間、具体的には1844年から2002年までのおよそ160年間に亘って未解決問題であり続けました。この形の方程式は$$3^2-2^3=1$$でしか成立しないという驚きの定理なのです。ということで、本問は $3^1-2^1=1$ も含めてミハイレスクの定理の十分性を確認させる問題だったのでした。必要性、つまり高い冪の差が$1$になるのが $3^2-2^3=1$ に限ることの証明は非常に難しく、ミハイレスクは円分体の理論を駆使して解決しています。

カタラン予想が証明されてしまった現在では同様の方程式を満たす複素数の組について研究が行われています。$2$と$3$が隣り合う素数だというのも何か神秘的なものを感じますね。


(2018/04/14追記)

今回解説した創作整数問題#11と全く同じ問題が2018年の東北大理系第3問として出題されました!

 

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