創作整数問題#65解法&創作整数問題#66

今年の7月は観測史上初めて台風が1つも発生しませんでした。台風の少ない年は冷夏になりやすいと言われています。ただでさえ今年は日照不足に悩まされているので、農産物の収量が落ち込むのではないかと心配になります。また野菜が一段と値上がりしそうですね。

ところで最近、管理人はテイクアウトで「プチ贅沢」というものを楽しんでいます。今年は飲み会が皆無の分、浮いたお金でワンランク上の食べ物や飲み物を注文してちょっとした贅沢気分を味わっています。家計に優しくお得感が味わえるのでオススメです(笑)

8月に入り、いよいよ夏本番ですね。近くの河原ではバーベキューをしている若者や家族連れの姿が増えてきました。とはいえ今年は全国各地で様々なお祭りが中止に追い込まれています。お盆の縁日にも今年は屋台が並ばなさそうです。早く世の中が落ち着くと良いのですが・・・。


創作整数問題#66


《問題#66》

$\sqrt[3]{1.6+0.64\sqrt{5}}+\sqrt[3]{1.6-0.64\sqrt{5}}$ が整数であることを示せ。

(創作問題)


あまり整数問題っぽくは無いですが・・・(笑)。何通りかアプローチが考えられそうです。整数値のアタリを付けるのも作戦の一つですね。

 

証明問題につき、解答は次回掲載します!


創作整数問題#65(解き方)


$n^n+n!$ が $n+1$ で割り切れるような正の整数$n$は無数に存在することを示せ。

今回の問題は数学コンテスト向きのレベルです。ウィルソンの定理とフェルマーの小定理を活用します。

解答例

 

任意の素数$p$に対して、$n=p-1$ のとき $n^n+n!$ が $n+1$ で割り切れることを示す。

 

$p=2$ のとき、即ち $n=1$ のとき、$n^n+n!=2$、$n+1=2$ であるから、$n^n+n!$ が $n+1$ で割り切れる。

 

$p>2$ のとき、$p$は奇素数である。いま、$$n^n+n!\equiv (-1)^n+n!\pmod{n+1}$$であり、$n=p-1$ が偶数であることから、$$1+(p-1)!\equiv 0\pmod{p} \quad \cdots (*)$$となることを示せば良い。ここでウィルソンの定理より、素数$p$に対して一般に$$(p-1)!\equiv -1\pmod{p}$$という関係式が成り立つから$(*)$は成立する。

 

よって、任意の素数$p$に対して、$n=p-1$ のとき $n^n+n!$ は $n+1$ で割り切れる。素数$p$は無数に存在するから、$n^n+n!$ が $n+1$ で割り切れるような正の整数は無数に存在することが示された。

 


ウィルソンの定理の証明】

 

関数 $f(n)=n^{p-1}-1$ を考える。フェルマーの小定理より、$n=1,2,\cdots,p-1$ に対して$$f(n) \equiv 0 \pmod{p}$$が成り立つので、剰余の定理より任意の整数$n$に対して$$\small f(n) \equiv (n-1)(n-2)\cdots(n-p+1) \pmod{p}$$と因数分解できる。この式の$x$に$0$を代入すると、$$(-1)^{p-1}(p-1)! \equiv -1 \pmod{p}$$となる。$p=2$ のときは明らかに成立し、それ以外のとき$p$は奇数なので$$(p-1)! \equiv -1 \pmod{p}$$となる。以上よりウィルソンの定理を得る。


(コメント)

解答中で用いられた「ウィルソンの定理」は証明がやや難しいです。素数に関する重要な定理なので覚えておくに越したことはありませんが、大学入試ではほとんど登場しない定理です。ウィルソンの定理はフェルマーの小定理を用いることで、解答例中に示したようにエレガントに証明することができます。フェルマーの小定理を自明としたくない場合はもう少し解答が長くなります。


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