創作整数問題#68解法&創作整数問題#69

先日、新規記事の連続更新日数を100日(!)に伸ばすことができました(本日で105日目)。いつも応援して下さっている読者の方々に感謝申し上げます。

暑かった8月もやっと終わりました。残暑も何とか乗り切りたいですね!


実は、今週から2週間にわたって「数学夏祭り」という数学愛好家向けのイベントがネット上で開催されています! この企画ではなんと解説記事も応募対象になっているようなので、時間が取れれば当サイトでも参加してみたいと思っております。因みに第1問は整数問題だったのでつい解説記事を書いてしまいました(笑)。是非ご覧下さい!(【数学夏祭り】第一問(整数問題)の解説【2020年夏】


創作整数問題#69


《問題#69》

$n$を正の整数とするとき、$2^n$は連続する2つ以上の正の整数の和として表せないことを示せ。

(創作問題)


簡単でしょうか? $2$以外の冪について考えてみるのも面白いかもしれませんね!

 

 

証明問題につき、解答は次回掲載します。


創作整数問題#68(解き方)


約分をする際、$$\dfrac{12}{24}=\dfrac{\,1\!\cancel{2}}{\!\cancel{2}\!4}=\dfrac{1}{4}$$という操作は $\dfrac{12}{24} \ne \dfrac{1}{4}$ であるから一般には誤りとなるが、しばしば$$\dfrac{16}{64}=\dfrac{\,1\!\cancel{6}}{\!\cancel{6}\!4}=\dfrac{1}{4}$$のように偶然うまくいく場合も存在する。

このように通常の約分に対して、分子と分母に共通の数字(ただし$0$を除く)が含まれている場合にそれらを打ち消して作った新たな分数から既約分数を得ることを「異常な約分」と呼ぶ。例えば、$\dfrac{36}{69}$に異常な約分を施すと $\dfrac{3}{9}=\dfrac{1}{3}$ となり、$\dfrac{12}{24}$は通常の約分と異常な約分が異なる分数であり、$\dfrac{16}{64}$は通常の約分と異常な約分が一致する分数である。

このことを踏まえた上で、以下の条件を満たす分数をすべて求めよ。

(A)$1$未満の正の分数として表せる
(B)分子と分母がともに2桁の整数である
(C)通常の約分と異常な約分が一致する


$\require{cancel}$珍しい問題設定だったと思います。異常約分可能な分数の形を設定して変形すると不定方程式が得られるので、そこから攻めましょう。

解答例

 

$a$、$b$、$c$を互いに異なる整数とする。このとき題意を満たす分数$F$は$$\small F=\dfrac{10a+b}{10b+c},\dfrac{10a+b}{10a+c},\dfrac{10a+b}{10c+a},\dfrac{10a+b}{10c+b}$$と表すことができる。このうち、$\dfrac{10a+b}{10a+c}$ と $\dfrac{10a+b}{10c+b}$ について$$\dfrac{10a+b}{10a+c}=\dfrac{b}{c}$$および$$\dfrac{10a+b}{10c+b}=\dfrac{a}{c}$$を解くとそれぞれ $b=c$、$a=c$ となり、$F=1$ となるので不適である。

 

また、$\dfrac{10a+b}{10c+a}$ は $\dfrac{10a+b}{10b+c}$ の逆数の場合相当するから、結局$$F=\dfrac{10a+b}{10b+c}$$のときを考えれば十分である。

 

 

$\dfrac{10a+b}{10b+c}=\dfrac{a}{c}$ の分母を払うと、$$10 a c+b c=10 a b+a c$$ $$\therefore 10 a(c-b)=c(a-b) \quad \cdots ①$$ となる。左辺が$10$の倍数だから右辺も$10$の倍数であることが必要である。いま、$a$と$b$の差は高々$8$以下であるから

 

$c=5$ または $a-b=\pm 5$

 

の場合に限られる。

 

 

(ア)$c=5$ のとき、①より$$2a(5-b)=a-b$$を得る。これを $b$ について解くと $b=\dfrac{9a}{2a-1}$ となるから、$b$が整数となるためには $2a-1=1,\,3,\,9$ が必要($\because$ $a$ と $2a-1$ は互いに素)。

 

これより $a=1,\,2,\,5$ となるから$$(a,b,c)=(1,9,5),(2,6,5),(5,5,5)$$を得るが、$(a,b,c)=(5,5,5)$ のとき $F=1$ となり不適。よって$$F=\dfrac{19}{95},\, \dfrac{26}{65}$$と求められる。

 

 

(イ)$a-b=5$ のとき、①より$$2(b+5)(c-b)=c$$となる。これを$c$について解くと$$c=\dfrac{2 b^{2}+10 b}{2 b+9}=b+\dfrac{b}{2 b+9}$$となるが、このとき$c$は整数にならず不適である。

 

 

(ウ)$a-b=-5$ のとき、①より$$2a(c-a-5)=-c$$となる。これを$c$について解くと$$c=\dfrac{2 a^{2}+10 a}{2 a+1}=a+\dfrac{9 a}{2 a+1}$$となるから、$c$が整数となるためには $2a+1=1,\,3,\,9$ が必要($\because$ $a$ と $2a+1$ は互いに素)。

$a \neq 0$ より $a=1,\,4$ となるから$$(a, b, c)=(1,6,4),(4,9,8)$$を得る。よって$$F=\dfrac{16}{64},\, \dfrac{49}{98}$$を得る。

 

 

以上より、求める分数は$$\color{red}{\dfrac{16}{64},\,\dfrac{26}{65},\,\dfrac{19}{95},\,\dfrac{49}{98}}$$の4つである。

 


(コメント)

最小限の場合分けで上手く絞り込みましょう。2ケタ/2ケタの分数なのでシラミ潰しでも押せないことはないですが・・・。(4桁/4桁までの探索結果はこちらに掲載しています)

 

因みに、本問と同趣旨の問題が2003年滋賀大学前期理系第5問として出題されています。やや奇抜な設定の整数問題として、今後どこかの大学で取り上げられないとも限りません。一度くらいは戯れに取り組んでみても良い問題だと思います。


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