創作整数問題#87解法&創作整数問題#88

2月も残すところあと1週間余りとなりました。年度末にかけて忙しくなりそうです…。


創作整数問題#88


《問題#88》

$n^3$ から $(n+7)^3$ までの隣接する$8$個の立法数の和が$1000$で割り切れるような正の整数$n$のうち、最小のものを求めよ。

(創作問題)


剰余の問題です。題意の立法数の和は$n$の3次式になるので、まずはこれを求めて剰余を考えます。

 

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$\color{red}{n=59}$ です。$1000=2^3 \cdot 5^3$ ですから、まずは小さい因数を法とする剰余で絞り込んでいくのが良さそうです。なお、隣接する$8$個の立法数の和は $8 n^{3} + 84 n^{2} + 420 n + 784$ と表せます。

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創作整数問題#87(解き方)


(1)$k$を正の奇数とする。方程式$$k^4 x-2^4 y=1 \quad \cdots ①$$を満たすような整数組$(x,y)$について、$x$の値は適当な整数$n$を用いて $x=16n+1$ で与えられることを示し、さらに$y$の値を$k$と$n$の式で表せ。

(2)前問の結果を利用して、方程式$$87^4 x-2^4 y=1 \quad \cdots ②$$を満たす正の整数組$(x,y)$のうち、$y$の値が最小となる組を求めよ。

(3)$k$を正の奇数とする。正の整数組$(X,Y)$は方程式$$k^5 X-2^5 Y=1 \quad \cdots ③$$を満たしている。このとき、$k^5 X-k^8$ は$2^5$で割り切れることを示せ。

(4)正の整数組$(X,Y)$は方程式$$87^5 X-2^5 Y=1 \quad \cdots ④$$を満たしている。このとき、$X$の最小値を求めよ。


見ての通り、今年の共通テストの数学ⅠAの整数問題の改題です。(1)は場合分けしても良いですが、奇数$k$の置き方を工夫すればもう少しスマートに示せます。(2)は答えの桁数はやや大きいものの、単純な計算で片付きます。(3)は $k^8=(k^4)^2=(16M+1)^2$ と発想できれば難しくありません(共通テストの問題には長ったらしいヒントが付いていました)。本問の主眼は(4)ですが、方程式④を満たす整数組(特に$Y$の値)をわざわざ求める必要は無く、正の整数解$X$の最小値を得るだけであれば剰余の計算だけで済みます。

解答例

 

(1)

$k$が奇数のとき、$m$を整数として $k \equiv 4m \pm 1$ と表せるから、$$\begin{aligned}
k^{4} &=(4 m \pm 1)^{4} \\
&=\underline{4^{4} m^{4} \pm{ }_{4} \mathrm{C}_{1} 4^{3} m^{3}+{ }_{4} \mathrm{C}_{2} 4^{2} m^{2} \pm { }_{4} \mathrm{C}_{3} 4 m}+1 \\
&=16 M+1
\end{aligned}$$と式変形できる。この下線部は$16$の倍数であるから適当な整数$M$により$16M$と表すことができる。

 

これを方程式①に代入すると$$(16M+1)x-16y=1$$ $$\therefore x=16(y-Mx)+1$$と整理できる。ここで$y$は任意の値をとる整数であるから、整数 $y-Mx$ は$x$の値によらず任意の整数値をとる。そこで $n \equiv y-Mx$ と置けば$$x=16n+1$$と表せる。

 

また、$x=16n+1$ を方程式①に代入すると、$$k^{4}(16 n+1)-16 z=1$$ $$\therefore 16 z=16 k^{4} n+k^{4}-1$$ $$\therefore y=k^{4} n+\dfrac{1}{16}\left(k^{4}-1\right)$$ $$\therefore y=\color{red}{k^4 n+\dfrac{1}{16}(k^2+1)(k+1)(k-1)}$$を得る。

 

 

(2)

(1)の結果より、$y$が正で最小となるのは $n=0$ のときである。よって $x=1$ であり、$$\begin{aligned} y &=\dfrac{1}{16}\left(87^{4}-1\right) \\ &=\dfrac{1}{16}(87^{2}+1)(87+1)(87-1) \\ &=\dfrac{1}{16}(7569+1)\cdot 88 \cdot 86 \\ &=7570\cdot 11 \cdot 43 \\ &=7570\cdot 473 \\ &=3580610 \end{aligned}$$より、求める整数解は$$(x,y)=\color{red}{(1,3580610)}$$となる。

 

 

(3)

(1)の考察より、$k^4=2^4M+1$ と表せるから$$k^8=(k^4)^2=2^8M^2+2^5M+1$$となる。また、方程式③が成り立っているとすれば、移項により$$k^5x=2^5y+1$$と変形できる。

 

以上より、$$\begin{aligned} k^5x-k^8 &=2^5y-2^8M^2-2^5M \\ &=2^5(y-2^3M^2-M) \end{aligned}$$となるから、$k^5x-k^8$ は$2^5$で割り切れることが示された。

 

 

(4)

(3)で示した事実により、適当な整数$N$を用いれば、方程式④を満たす$X$について$$87^{5}X-87^{8}=87^{5}\cdot 2^{5}N$$と置ける。これを$X$について整理して$$X=87^{3}+32N$$を得る。ここで、$$\begin{aligned} 87^3 &\equiv (-9)^3 \pmod{32} \\ &\equiv -25 \pmod{32} \\ &\equiv 7 \pmod{32} \end{aligned}$$となることから $X=7$ となるような整数$N$が存在して、このとき$X$は正で最小となる。

 

よって、求める正の整数$X$の最小値は$$\color{red}{7}$$である。

 


 

(2)で「$y$が正で最小となるのは $n=0$ のとき」と判断できるのは $k^{4} >\dfrac{k^{4}-1}{16}$ が根拠になっています。

方程式④を満たすような正の整数$Y$の最小値は $Y=1090295764$ と巨大な値となるため計算が一苦労です。(4)では$X$の方だけを求める設定にしていますが、これは作問者の良心だと思って下さい(笑)

本問の出典は先日の2022年共通テスト数学ⅠA第4問ですが、これの一般化に関する記事を公開しているので参考にしてみて下さい!

k^5*x-2^5*y=1の整数解(2022年共テ数ⅠA第4問)

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