複素数の積には回転操作(&拡大or縮小)という図形的な意味があります。これを利用すると、ある点の周りの点や直線、曲線などの回転操作が容易に行えます。
複素数の掛け算=回転操作
複素数の掛け算は複素平面上における図形の回転操作(&拡大or縮小)に対応しています。このことを解説している参考書やウェブサイトは山のようにありますが、念のためここでも確認しておきます。
複素数の積の図形的意味

要するに、点
回転中心が原点でない場合は平行移動で回転中心の点を原点に重ね合わせてから回転操作を施し、最後に平行移動で元に戻すという手順を取ります。つまり、回転を表す複素数を
例題
では、いくつかの例題で使い方を確認しましょう。
例題①
点
求めるべき点は、複素数
例題②
原点
求めるべき点は、複素数
例題③
座標平面上で原点を中心として曲線
求めるべき曲線は、パラメータ表示された複素数
前者の場合、
また、後者の場合(
このように複素数は点だけでなく、直線や曲線といった図形の回転にも利用することができます。
図形の回転操作は複素平面上に落とし込んで考えるのが便利です。行列を使っても全く同じことができますが、複素数を使う方が一次変換を直感的に扱えると思います。座標平面や平面図形の問題を複素数で解くという選択肢は常に頭に入れておきたいですね!
“図形の回転には複素数の積を使おう!” への1件の返信