徳島大学2017年前期 (理工・保健)第2問


今年の徳島大では記進法に関する整数問題が出題されました。記進法は対策が不十分だと痛い目に遭います。


《問題》

$n$を$4$以上の整数とする。

(1)$(n+1)(3n^{-1}+2)(n^2-n+1)$ と表される数を$n$進法の小数で表せ。

(2)$3$進数$21201_{(3)}$を$n$進法で表すと$320_{(n)}$となるような$n$の値を求めよ。

(3)正の整数$N$を$3$倍して$7$進法で表すと$3$桁の数$abc_{(7)}$となり、$N$を$4$倍して$8$進法で表すと$3$桁の数$acb_{(8)}$となる。各位の数字 $a、b、c$ を求めよ。また、$N$を$10$進法で表せ。

(徳島大学2017 前期理工学部・医学部(保健)第2問)


《考え方》

以下、右下に括弧書きが無く、特に但し書きも無い場合は$10$進法表記を表しているものとします。

(1)は展開するだけです。$$\begin{align} &\ \ \ \ \ (n+1)(3n^{-1}+2)(n^2-n+1) \\ &=(3n^{-1}+2)(n^3+1) \\ &=2n^3+3n^2+2+3n^{-1} \\ &=\color{red}{2302.3_{(n)}}\end{align}$$と求められます。

(2)は記進法の理解を問う問題です。一般的に記数法とは、$2$以上の整数$g$を用いて、ある実数$x$を$$\begin{align} x =a_n g^n &+a_n g^{n-1}+\cdots \\ &+a_1 g+a_0+\dfrac{a_{-1}}{g}+\cdots \end{align}$$と表すことを指し、これを$g$進記数法と言います。$a_n$は$1$以上$g-1$以下の整数、$a_{n-1}$、$\cdots$はいずれも$0$以上$g-1$以下の整数です。

これに基づいて考えると、$$\begin{align} &\ \ \ \ \ 21201_{(3)} \\ &=2 \cdot 3^4+1 \cdot 3^3+2 \cdot 3^2+0 \cdot 3^1+1 \\ &=162+27+18+1 \\ &=208 \end{align}$$となるので、$$208=3n^2+2n$$という方程式が立ちます($10$進法表示に直した)。これを解くと$$n=8,-\dfrac{26}{3}$$を得ますが、$n$は正の整数なので$$\color{red}{n=8}$$が答えになります。

さて、本問の肝は(3)です。与えられた条件を式化しましょう。$$\begin{cases}\text{①}:3N=a \cdot 7^2+b \cdot 7^1+c  \\ \text{②}:4N=a \cdot 8^2+c \cdot 8^1+b \end{cases}$$②$\times 3-$①$\times 4$ より、$$0=-4a-25b+20c \tag*{・・・(★)}$$を得るので、これより$a$が$5$の倍数、かつ、$b$が$4$の倍数であることが分かります。$a,b,c$は$7$進法における各位の数字であるため、いずれも$0$以上$6$以下の整数です。$(★)$式より、まず$a$について $a=0$ or $5$ に絞られますが、問題文に「$3$桁の数」とあるので $a=5$ に限られます。よって$(★)$式に $a=5$ を代入して整理することにより、$$5b+4=4c \tag*{・・・(♣)}$$ を得ますので、$b$について場合分けします。

(ア)$b=0$ のとき、$(♣)$式より $c=1$ を得ます。したがって$$\begin{align} &\ \ \ \ \ 3N \\ &=501_{(7)} \\ &=5 \cdot 7^2+0 \cdot 7^1+1 \\ &=246 \end{align}$$ $$\therefore N=82_{(10)}$$と求められます。また、このとき確かに $4N=510_{(8)}$ が成立しています。

(イ)$b=4$ のとき、$(♣)$式より $c=6$ を得ます。したがって$$\begin{align} &\ \ \ \ \ 3N \\ &=546_{(7)} \\ &=5 \cdot 7^2+4 \cdot 7^1+6 \\ &=279 \end{align}$$ $$\therefore N=93_{(10)}$$と求められます。また、このとき確かに $4N=564_{(8)}$ が成立しています。

以上より、求める各位の数字および整数$N$は$$\color{red}{(a,b,c,N)=(5,0,1,82_{(10)}),(5,4,6,93_{(10)})}$$となります。(答えには一応「$(10)$」を付けておきました)


(コメント)

$7$進法表記では「$8$」が使用できないので、「$4$の倍数」という条件があったとしても $b=8$ のときは考える必要がありません(調べても $c=11$ となって十進法でも結局不適なのですが)。このように記数法では使用できる文字(数字)の数に限りがあることから、解の候補を絞り込むことができます。

この辺りの対策が手薄な人はしっかり復習しておきたいですね。

 

2 Replies to “徳島大学2017年前期 (理工・保健)第2問”

  1. お久しぶりです.つまらない指摘ですが,コメントさせていただきます.
    (1)の問題文中の式は,多分 $(n+1)(3n^{-1}+2)(n^2-n+1)$ ですね.
    解答中にも同様のところがあり,さらに,最終結果の前段階で
    「$3^n-1$」とあるのは「$3n^{-1}$」が正しいと思います.

    1. たけちゃんさん、お久し振りです。
      コメントありがとうございます。

      ご指摘の箇所を修正させて頂きました。
      $3^{-1}$では何のことだか分かりませんね(^^;)。

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