静岡大学2017年前期文系第4問

2つの平方数の和から成る整数の集合が閉じていることに関する出題です。過去にも色々な大学で出題されています。


《問題》(※要旨のみ)

2つの平方数の和で表される整数全体の集合を$A$とする。

(1)整数$a,b,x,y$に対して、等式$$(a^2+b^2)(x^2+y^2)=(ax+by)^2+(ay-bx)^2$$が成り立つことを示せ。

(2)2つの整数 $\alpha 、 \beta $ が$A$の要素であるとき、積 $\alpha \beta $ は$A$の要素であることを示せ。

(3)$25$、$50$、$1250$のそれぞれが$A$の要素であることを示せ。

(静岡大学2017 前期文系第4問)


《考え方》

(1)はいわゆる「ブラーマグプタのの二平方恒等式」と呼ばれる恒等式で、2平方数の和から成る整数の集合では必ずと言って良いほど登場します。ちなみにこの恒等式はベクトルや複素数平面の内容からも証明できます。等式$$(a^2+b^2)(x^2+y^2)=(ax+by)^2+(ay-bx)^2$$の左辺と右辺を展開すればともに$$a^2x^2+b^2x^2+a^2y^2+b^2y^2$$となるので等式が成り立つことが示されます。

(2)はこの恒等式を利用するだけです。$\alpha$と$\beta $はともに$A$の要素なので$\alpha = a^2+b^2$、$\beta = x^2+y^2$と置けます。よって(1)より、その積が$(ax+by)^2+(ay-bx)^2$と表わされるので、積 $\alpha \beta $ もまた$A$の要素となります。

このことを用いて(3)を解きましょう。

皆さんご存知の通り$$25=3^2+4^2$$ですから$25 \in A$です。また、$50=2 \cdot 25 =(1^2+1^2)(3^2+4^2)$に着目して先程の恒等式を使うと、$$\begin{align} 50&=(3+4)^2+(4-3)^2 \\ &=7^2+1^2 \end{align}$$となり、$A$の要素となることが言えます。続いて$1250=50 \cdot 25$ですから、$$\begin{align} 1250 &=(7^2+1^2)(3^2+4^2) \\ &=(21+4)^2+(28-3)^2 \\ &=25^2+25^2 \end{align}$$となるので$A$の要素となることが言えます。


(コメント)

2つの平方数の和として表わされる整数の集合に関する問題は、過去に鹿児島大(2001)、島根大(2007)、熊本大(2011)などで出題されています。

 

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