高知大学2017年(医)前期第2問

高知大学では2015年に2次方程式と絡めた整数問題がちょこっと出題されているだけで、ほとんど整数問題が出題されていませんでした。昨年文系の数学で簡単な整数問題が出題されていたことから、北大と同様、理系でもそろそろ出題されるかもと思っていましたが、やはり出ましたね。

数列との融合問題で、ガウス記号が登場しています。


《問題》

一般項が$a_n=\sqrt{4^n+2^{n+1}+29}$ $(n=1,2,3,\cdots )$で与えられる数列$\{a_n\}$がある。この数列の第$n$項$a_n$の値を越えない最大の整数を$[ a_n ]$と表す。また、$\langle a_n \rangle=a_n -[a_n]$とおく。このとき、次の問いに答えよ。

(1)$[ a_1 ]$、$[ a_2 ]$、および$[ a_3 ]$のそれぞれの値を求めよ。

(2)$n \geqq 4$を満たすすべての整数$n$に対して、$[a_n]=2^n+1$であることを示せ。

(3)極限値 $\displaystyle \lim_{n \to \infty} \langle a_n \rangle$を求めよ。

(4)$ \langle a_n \rangle \leqq \dfrac{1}{8}$を満たす$4$以上の整数$n$をすべて求めよ。

(高知大学2017 (医)前期第2問)


《考え方》

問題の筋書き的に、十分に大きい$n$で$\langle a_n \rangle \to 0$となることが大体予想できます。

(1)は計算するだけです。

$a_1=\sqrt{4^1+2^2+29}=\sqrt{37}>6$より$[ a_1 ]=6$

$a_2=\sqrt{4^2+2^3+29}=\sqrt{53}>7$より$[ a_2 ]=7$

$a_3=\sqrt{4^3+2^4+29}=\sqrt{109}>10$より$[ a_3 ]=10$

と求められます。

(2)はガウス記号の性質から証明します。ガウス記号の定義から$$a_n-1 < [a_n] \leqq a_n$$ですから$b_n=a_n-(2^n+1)$と置くと、$$b_n-1 < [a_n] -(2^n+1) \leqq b_n$$となります。下限について、$$\begin{align} b_n &=\sqrt{4^n+2^{n+1}+29}-(2^n+1) \\ &=\sqrt{(2^n+1)^2+28}-(2^n+1) \\ &>0 \end{align}$$となるので$$-1 < [a_n] -(2^n+1) \leqq b_n$$となります。

したがって$4$以上の$n$で$[a_n]=2^n+1$であることを示すには、$n \geqq 4$のとき$b_n<1$を示せばよいことになります。有理化により$$\begin{align} b_n &= \sqrt{(2^n+1)^2+28}-(2^n+1) \\ &=\dfrac{\left\{ (2^n+1)^2+28 \right\}-(2^n+1)^2  }{\sqrt{(2^n+1)^2+28}+(2^n+1)} \\ &=\dfrac{28}{\sqrt{(2^n+1)^2+28}+(2^n+1)} \end{align}$$となりますから、結局は$n \geqq 4$のときに$$28<\sqrt{(2^n+1)^2+28}+(2^n+1)$$を示すことが目標となります。この右辺は$n$とともに増加するので、$$ \begin{align} & \ \ \ \ \ \sqrt{(2^n+1)^2+28}+(2^n+1) \\ &>\sqrt{(2^4+1)^2+28}+(2^4+1) \\ &>2(2^4+1)=34 \\ &>28 \end{align}$$となり、めでたく証明されました。これにより、$b_n$とは即ち$\langle a_n \rangle$であることが分かります。$b_n$の形から$n \to \infty$とすれば$b_n$は$0$に収束するので、$$\displaystyle \lim_{n \to \infty} \langle a_n \rangle=\displaystyle \lim_{n \to \infty} b_n =\color{red} 0$$と求められます。

(4)は不等式$$\dfrac{28}{\sqrt{(2^n+1)^2+28}+(2^n+1)} \leqq \dfrac{1}{8}$$を解くだけです。以下では簡単のために$N=2^n+1$と置きます。この不等式は$$224-N \leqq \sqrt{N^2+28}$$と変形でき、$N>224$なら常に成立するので、$0<224-N$として考えます。このとき両辺正なので2乗して$$224^2-2 \cdot 224 N+N^2 \leqq N^2+28$$ $$\therefore 224^2-28 \leqq 448N$$ $$\therefore 112-\dfrac{28}{448} \leqq N$$を得ます。故に$N=2^n+1 >111$より、$n \geqq 7$となります。

以上より、$ \langle a_n \rangle \leqq \dfrac{1}{8}$を満たす$4$以上の整数$n$は

$n=$ ($7$以上のすべての自然数)

となります。


(コメント)

今年の第1問もやや整数問題寄りの出題に見えるので解いてみようと思います。

 

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