2^a*3^b+2^c*3^d=2022の整数解(2022年一橋大学前期数学第1問)

今年の一橋大の整数問題は指数型不定方程式に関する出題でした。


 

$2^{a} 3^{b}+2^{c} 3^{d}=2022$ を満たす$0$以上の整数 $a, b, c, d$ の組を求めよ。

(2022年 一橋大学 前期第1問)

 

 考え方

誘導が無いので柔軟な思考力が問われます。まず右辺の$2022$が $2 \cdot 3 \cdot 337$ と素因数分解できることを確認しましょう。$2$、$3$を一つずつしか含まないので、左辺の指数の組み合わせが絞り込めます。場合分けが発生しますが式の対称性を上手く利用して記述量を減らしましょう。


解答例

 

まず、$2^{a} 3^{b}$と$2^{c} 3^{d}$がともに奇数、つまり $a=c=0$ のときを考える。

 

このとき与式は$$3^{b}+3^{d}=2022$$となる。ここで $b \geqq d$ を仮定しても一般性を失わないので、$b \geqq d$ とすると、$$3^{d}(3^{b-d}+1)=2 \cdot 3 \cdot 337$$と式変形できる。ここで $3^{b-d}+1$ は$3$の倍数ではないから $d=1$ が必要であり、$$3^{b-1}+1=2 \cdot 337$$ $$3^{b-1}=675$$となる。ところが、この右辺は$5$の倍数であるのに左辺が$5$を素因数にもつことはないから不合理である。したがって、このとき与式を満たす解は存在しない。

 

以上より、$$a \geqq 1, c \geqq 1, b \geq 1, d \geqq 1$$が必要であり、$2022=2 \cdot 3 \cdot 337$ であることから、「少なくとも$a$と$c$のどちらか一方は$1$」かつ「少なくとも$b$と$d$のどちらか一方は$1$」でなければならない。これを踏まえて以下、場合分けする。

 

(ア)$a=1$ のとき、与式は$$3^{b-1}+2^{c-1} 3^{d-1}=337$$となる。

 

(ⅰ)$b=1$ のとき、$$2^{c-1} 3^{d-1}=336\,(=2^4 \cdot 3 \cdot 7)$$となるが左辺は$7$の倍数でないので、このとき解は存在しない。

 

(ⅱ)$d=1$ のとき、$$\begin{aligned} 3^{b-1}+2^{c-1} &=337 \\ \therefore 2^{c-1} &=337-3^{b-1} \end{aligned}$$となる。ここで、$$\begin{array}{c|cc}
b & 3^{b-1} & 337-3^{b-1} \\
\hline 1 & 1 & 336 \\
2 & 3 & 334 \\
3 & 9 & 328 \\
4 & 27 & 310 \\
5 & 81 & 256\,(=2^8) \\
6 & 243 & 94
\end{array}$$より、$$(a, b, c, d)=(1,5,9,1)$$を得る。

 

(イ)$c=1$ のとき、式の対称性から(ア)の場合と全く同じように議論できる。よって文字の対称性を考えて整数解$$(a, b, c, d)=(9, 1, 1, 5)$$を得る。

 

以上の場合分けにより、求める整数解は$$(a, b, c, d)=\color{red}{(1,5,9,1), (9, 1, 1, 5)}$$となる。

 


 

シンプルな良い問題です。年号の絡む整数問題は一橋大の数学ではしばしば出題されていますので、$2022$の素因数分解を試験前に頭に入れてあった受験生はご褒美が当たったと言えますね。なお、上記の解答例では $a=c=0$ のときを別に考えていますが、$a$と$c$が正の場合とまとめて議論しても良いでしょう。

右辺を一般化したときの整数解について調べた結果を以下の記事で紹介しています。

2^a*3^b+2^c*3^d=Nの整数解一覧(一橋大学の問題から)

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