3次方程式を経由する連立方程式(近畿大学2018年(医)数学第3問)

2018年の近畿大学医学部の入試数学から代数の問題を紹介します。誘導設問が丁寧なので是非とも完答したい問題です。


《問題》

3つの実数 $a,\,b,\,c$ が $ab=6 \,\cdots ①$、$a+b-c^{2}=1 \,\cdots②$、$c(a-b)=2 \,\cdots ③$ を満たすとする。

(1)$a,\,b$ の符号を求めよ。

(2)①、②、③から $a,\,b$ を消去し $c^2=x$ とおけば、$x$ はある3次方程式 $f(x)=0$ を満たす。$x^3$ の係数が$1$であるような3次式 $f(x)$ を求めよ。

(3)(2)で求めた3次方程式 $f(x)=0$ の正の実数解の個数を求めよ。

(4)①、②、③を満たす実数の組$(a,\,b,\,c)$をすべて求めよ。

(近畿大学2018年 (医)第3問)


《考え方》

基本的には誘導設問に従って解いていくだけです。符号に注意して丁寧に答案を作れば完答も難しくありません。


解答例

 

(1)

①より$a,\,b$は同符号である。②より $a+b=c^{2}+1\,(>0)$ が成り立つので、$a,\,b$は正である。

 

(答)$a:+,\,b:+$

 

 

(2)

③より $c \ne 0$ であるから$$a-b=\dfrac{2}{c}$$となる。これと$$a+b=c^{2}+1$$を連立すると$$\small \left\{\begin{array}{l}
a=\dfrac{c^{2}}{2}+\dfrac{1}{c}+\dfrac{1}{2} \\
b=\dfrac{c^{2}}{2}-\dfrac{1}{c}+\dfrac{1}{2}
\end{array}\right.\quad \cdots ④$$を得る。よって①より、$$\small \left(\dfrac{c^{2}}{2}+\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{c}\right)\left(\dfrac{c^{2}}{2}+\dfrac{1}{2}-\dfrac{1}{c}\right)=6$$ $$\small \therefore\left(\dfrac{c^{2}}{2}+\dfrac{1}{2}\right)^{2}-\left(\dfrac{1}{c}\right)^{2}=6$$ $$\small \therefore \dfrac{c^{4}}{4}+\dfrac{c^{2}}{2}+\dfrac{1}{4}-\dfrac{1}{c^{2}}=6$$ $$\small \therefore (c^{2})^{3}+2 (c^{2})^{2}-23 (c^{2})-4=0$$を得る。ここで $c^2=x$ と置けば、$x$ の3次方程式$$x^{3}+2 x^{2}-23 x-4=0$$を得る。

 

(答)$\small x^{3}+2 x^{2}-23 x-4=0$

 

 

(3)

$$\begin{aligned}
f(x) &=x^{3}+2 x^{2}-23 x-4 \\
&=(x-4)\left(x^{2}+6 x+1\right) \\
\end{aligned}$$より、3次方程式 $f(x)=0$ の解は$$x=4,-3 \pm 2 \sqrt{2}$$となる。このうち正の実数解は $x=4$ のみである。

 

(答)1個

 

 

(4)

(3)より $x=c^{2}=4$ であるから $c = \pm 2$ となる。したがって④より$$\small (a, b, c)=(3,2,2),(2,3,-2)$$を得る。これらは①、②、③を満たしている。

 

(答)$\small (a, b, c)=(3,2,2),(2,3,-2)$

 


(コメント)

誘導設問があるのでかなり解答がラクになっています。もし誘導設問が付いていない場合は自力でこの方針を着想する必要があり、やや難しい問題になりそうです。

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