k進法で2021の剰余(2021年早稲田大学(社会)数学第3問)

記数法に関する整数問題は度々出題されています。今回は今年の早稲田大の問題を扱います。西暦絡みの良問です。


 

$k$を$3$以上の整数とする。$k$進法で$2021_{(k)}$と表される整数$N$を考える。次の問に答えよ。

(1)$N$が $k-1$ で割り切れるときの$k$の値を求めよ。

(2)$N$を $k+1$ で割ったときの余りを$k$で表せ。

(3)$N$を $k+2$ で割ったときの余りが$1$となる$k$の値をすべて求めよ。

(2021年早稲田大学(社会) 第3問)

 

 考え方

記数法とは$2$以上の整数$g$を用いてある実数$x$を$$\begin{align} x =a_n g^n &+a_{n-1} g^{n-1}+\cdots \\ &+a_1 g+a_0+\dfrac{a_{-1}}{g}+\cdots \end{align}$$と表すことを指し、これを「$g$進記数法」などと言います。ここで$a_n$は$1$以上$g-1$以下の整数、$a_{n-1}$、$\cdots$はいずれも$0$以上$g-1$以下の整数です。私達が日常生活で使用しているのは$10$進法が主ですが、時計では$60$進法や$12(24)$進法が使われていますし、コンピュータの中には$2$進法という$0$と$1$の世界が広がっています。

今回の問題では$2021$という数がテーマのようです。$10$進法の$2021$は$$2 \cdot 10^3+2 \cdot 10+1$$と表されます。同様に$k$進法の$2021$は$$2021_{(k)}=2 \cdot k^3+2 \cdot k+1$$と表示されます。これが$N$です。

※問題文をよく読めば分かることですが、「$10$進法の$2021$を$k$進法で表す」ではないので勘違いしないように。

各問とも実際に割り算をするだけなので、やるべきことは単純です。


解答例

 

(1)

割り算をすると、$$\small \begin{array}{r|rrrrr}
& 2k^{2} & +2k & +4 \\
\hline k-1 & 2k^{3} & & +2k & +1 \\
& 2k^{3} & -2 k^{2} & & \\
\hline & & 2 k^{2} & +2k & & \\
& & 2 k^{2} & -2k & & \\
\hline & & & 4 k & +1 \\
& & & 4 k & -4 \\
\hline & & & & 5
\end{array}$$となるから$$\small 2 k^{3}+2 k+1=(k-1)\left(2 k^{2}+2 k+4\right)+5$$である。いま、$k \geqq 3$ であるから $k-1$ のときのみ余り$5$を割り切るので $k=\color{red}{6}$ と求められる。

 

 

(2)

割り算をすると、$$\small \begin{array}{r|rrrrr}
& 2k^{2} & -2k & +4 \\
\hline k+1 & 2k^{3} & & +2k & +1 \\
& 2k^{3} & +2 k^{2} & & \\
\hline & & -2 k^{2} & +2k & & \\
& & -2 k^{2} & -2k & & \\
\hline & & & 4 k & +1 \\
& & & 4 k & +4 \\
\hline & & & & -3
\end{array}$$となるから$$\small 2 k^{3}+2 k+1=(k+1)\left(2 k^{2}-2 k+4\right)-3$$である。これより余りは $k+1-3$、すなわち $\color{red}{k-2}$ と求められる。

 

 

(3)

割り算をすると、$$\small \begin{array}{r|rrrrr}
& 2k^{2} & -4k & +10 \\
\hline k+2 & 2k^{3} & & +2k & +1 \\
& 2k^{3} & +4 k^{2} & & \\
\hline & & -4 k^{2} & +2k & & \\
& & -4 k^{2} & -8k & & \\
\hline & & & 10 k & +1 \\
& & & 10 k & +20 \\
\hline & & & & -19
\end{array}$$となるから$$\small \begin{aligned} 2 k^{3}+2 k+1 &=(k+2)\left(2 k^{2}-4 k+10\right)-19 \\ &=(k+2)\left(2 k^{2}-4 k\right)+(10 k+1) \end{aligned}$$と変形できる。よって、$k+2$ が$10k$を割り切るとき、$N$を $k+2$ で割った余りは$1$になる。したがって、$m$を自然数として$$10 k=m(k+2)$$となるような組$(k,m)$を調べればよい。

 

これより $(10-m) k=2 m$ となるから左辺が正である条件より $m<10$ が必要であり、$k$について解くと$$\begin{aligned} k&=\dfrac{2m}{10-m} \\ &=-2+\dfrac{20}{10-m} \end{aligned}$$となる。ここで$k$は$3$以上だから$$-2+\dfrac{20}{10-m} \geqq 3$$ $$\therefore m \geqq 6$$を得る。以上より$$6 \leqq m \leqq 9$$が成り立つ。

 

$m=6$ のとき $4 k=12$ より $k=3$
$m=7$ のとき $3k=14$ より $k=\dfrac{14}{3}$ となるので不適。
$m=8$ のとき $2k=16$ より $k=8$
$m=9$ のとき $k=18$

 

よって $k=3,8,18$ を得る。また、実際にこれらのとき $2 k^{3}+2 k+1$ を $k+2$ で割った余りは$1$となる。以上より、求める$k$の値は$$k=\color{red}{3,8,18}$$である。

 


 

TeX記法で筆算の割り算を表示するのが難しい関係で、あまり見慣れない形になってしまっていますがご容赦下さい…。

割り算を筆算で行う場合は係数のみを取り出して$$\small \begin{array}{r|rrrrr}
& 2 & 2 & 4 \\
\hline 1\ -1 & 2 & & 2 & 1 \\
& 2 & -2 & & \\
\hline & & 2 & 2 & & \\
& & 2 & -2 & & \\
\hline & & & 4 & 1 \\
& & & 4 & -4 \\
\hline & & & & 5
\end{array}$$のように書くのがシンプルですし時間短縮にもなります。

整数分野が数学の1分野として教科書で重点的に扱われるようになってから6年ほどが経ち、最近では記数法に関する出題が頻繫に見られるようになりました。このサイト内で「記数法」でタグ付けしている過去問もだんだん増えてきています。記数法は苦手とする人が多い単元なので、逆に差を付けるチャンスと思って対策しておくのが吉でしょう。

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