整数第4章を追加しました

こんにちは。管理人のpencilです。

今日は問題ではなく雑談ということにしてみます。随分と久し振りな雑談回ですね。これまで60記事余りを投稿してきましたが、そのほとんどが整数の問題演習となっており、当サイトが異様なサイトであることがお分かり頂けると思います(笑)。

本稿では新たに追加した整数第4章について少しお話ししようと思います。どうぞお付き合いください・・・。


整数第4章はご覧の通り大学受験数学を超えた内容を扱っています。特に目立つのは未解決問題の数々ではないでしょうか。未解決問題って何ぞ?という方向けに少し解説しておきましょう。

未解決問題とは文字通り、提案されていますが未だに誰も解決できていない問題を指しています。数学に限らず物理学や化学など様々な分野に未解決問題が存在し、なぜそれが成り立つのか、起き得るのか、または成り立たないのか、起きえないのかについて分かっていない事柄が未だに多く残されています。

その中で数学、特に数論分野の未解決問題は命題が分かりやすいにも関わらず誰にも解かれていないものが多く存在しています。例えばフェルマーの最終定理は350年以上の間誰にも解かれることがありませんでした。フェルマーの最終定理とは以下のようなものです。

「$3$以上の整数$n$について、等式$$x^n+y^n=z^n$$ を満たす整数組$(x,y,z)$は存在しない」

問題文の意味だけであれば中学生でも理解することができますが、350年も未解決であったことから分かるように、これを証明するのは容易ではありませんでした。その証明には非常に高度な理論や手法が多用されており、専門分野が異なる数学者にとっても理解が難しいものになっています。この命題を後代に遺したピエール・ド・フェルマー(Pierre de Fermat(1607~1665))はフランスの弁護士で、数学は仕事の合間に余暇として研究したという人です。整数論の先駆的な研究や確率論の創始など、数学における彼の業績は顕著であり、特に整数論の研究に関してはほとんど全てが独力によるもので、フェルマーの研究成果により西洋における数論は100年進んだと言われているほどす。

彼は古代ギリシャの数学者であるディオファントスの著した「算術」という数学書で独学により整数論の研究を行い、その際、彼はその算術に48個の注釈を書き残しました。後の数学者の努力により、彼の残した他の書き込みに対してはほぼ全て真か偽かの決着が付けられましたが、この予想だけは誰にも証明できず最後まで残ってしまいました。これはそのため「フェルマーの最終予想」と呼ばれるようになり、プロアマを問わず、多くの数学者がその証明に挑んできた問題です。

フェルマーはこの問題を書き込んだときの注釈は以下のようなものでした。

立方数を2つの立方数の和に分けることはできない。4乗数を2つの4乗数の和に分けることはできない。一般に、冪(べき)が2より大きいとき、その冪乗数を2つの冪乗数の和に分けることはできない。この定理に関して、私は真に驚くべき証明を見つけたが、この余白はそれを書くには狭すぎる。

(Wikipwdia「ピエール・ド・フェルマー」より引用)

これは非常に有名なフレーズなのでご存知の方も多いのではないでしょうか。これを示したワイルズの方法は代数幾何や代数的整数論の諸定理を用いた非常に高度な証明ですので、現在ではフェルマーが実際に証明に成功していたとは考えられていませんが、なかなかロマンを掻き立てる文句だと思いませんか?


・・・さて、未解決問題(正確には未解決だったものですが・・・)の一例に触れて頂きましたが、第4章の中でも一際目を引くのが素数に関する問題ではないでしょうか。広大な整数の世界の中でも、素数に関しては未解決問題のオンパレードです。例えば次のような命題もその真偽が未だに明らかになっていないのです。

「$p^2+1$ が素数となるような素数$p$は無数に存在する」

これは素数$p$、$q$に関するディオファントス方程式$$p^2+1=q$$を解くことに対応しています。つまり $p^2+1=q$ という方程式を満たす素数$p$、$q$が有限個しか存在しないか、あるいは無数に構成できることを証明できれば、あなたも立派に数学者の仲間入りです。

素数に関しては次の予想も非常に有名ですね。

「$p$ と $p+2$ がともに素数となるような素数$p$は無数に存在する」

これは「双子素数」が無数に存在するか?ということを訊いています。双子素数の逆数の和は収束することが1919年、ノルウェーの数学者であるヴィーゴ・ブルン(Viggo Brun(1885~1978))によって証明されており、その和 $1.90195 \cdots$ はブルン定数と呼ばれています。この証明でブルンは「篩法(Sieve theory)」(篩:ふるい)という方法を利用しており、この結果は篩法による初期の本格的な成果として注目されました。双子素数の逆数の和が発散すれば文句無しに双子素数が無数に存在することが言えるのですが、実際には収束してしまっているので、ここから有限個なのか無限個なのかを判断することはできません。素数の逆数の和が発散するのに対して双子素数の逆数の和は$2$にも満たない数に収束していることから、如何に双子素数が少ないかが分かりますね。因みに2017年4月現在、差が$246$となる素数の組が無数に存在することまでは分かっているようですが、これを$2$まで縮めるのはかなり大変そうです・・・。また、現時点で知られている最大の双子素数は$388342$桁(!)の$$2996863034895 \times 2^{1290000} \pm 1$$という組です。


第4章にはこのように奥の深い背景を持つ様々な未解決問題を集めています。数学、特に数論分野の未解決問題はプロアマ問わず取り組めるところが魅力です。このページが入試数学を超えた、皆さんと数学の素敵な出会いの一助となればこのページ、ひいてはこのサイトを作った甲斐があるというものです。私は数学に関しては専門家ではないので、紹介しきれないものや文言がおかしいものがあるかもしれません。未解決問題については随時追加して簡単な解説も加えていければなあと思っています。読者の皆さんからも情報提供や助言を頂ければ幸いです。

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