管理人のCOVID-19ワクチン接種の記録(2回目)

2回目のCOVID-19のワクチン接種を受けて準備すべきことなどをまとめました。個人的な内容を多分に含みますが、今後ワクチン接種に臨む人に向けて1次情報を発信することにはそれなりに社会的な意義があると考え、ここに管理人個人の経過の記録を公開し、予防接種に関する私見を述べます。

 

 ワクチンについて

2021年8月現在、日本国内で流通しているCOVID-19ワクチンはファイザー社、モデルナ社、アストラゼネカ社のものです。これらのワクチンはいずれも日本で薬事承認されており、治験データも十分に蓄積されています。ファイザー社とモデルナ社のmRNA型ワクチンは今回のCOVID-19パンデミックにおいて初めて実戦投入されたタイプのワクチンですが、客観的に収集・分析されたデータによって、安全性に問題が無く、重症化を防いで病床逼迫を防止する上で有効であることが裏付けられています。

前回の記録「管理人のCOVID-19ワクチン接種の記録(1回目)」のページでワクチンに関する基本情報を簡単にまとめています。また、COVID-19のワクチンの開発状況や基本情報については、厚生労働省の「新型コロナワクチンについて」というページに分かりやすくまとめられています。是非参考にしてください。

 

 2回目の接種後の経過

管理人自身のワクチン接種後の経過について述べます。管理人が接種したワクチンのメーカーはモデルナ社です。モデルナ製の2回目は副反応が強く出ると前から聞いていましたが、噂に違わず今回はかなり大変でした。

1回目の予防接種では接種翌日の夕方に37.5℃の微熱が発生した程度で済みましたが、今回(2回目)の接種では接種当日の夜中に40℃近い高熱が出ました。体力はそこまで消耗していなかったので朝食をとるくらいの元気はありましたが、人によっては体力消耗がかなり激しいかもしれません。食後に解熱剤(カロナール錠)を服用して午前中は熱が下がりましたが、夕方にかけて再び熱が出てきました。これ以降は熱の出方も体のだるさも普通の風邪のような感じでした。その翌日も似た感じでしたが1日目、2日目に比べればかなり具合は落ち着いてきました。4日目以降は平熱に戻りましたが、片頭痛が接種後から6日ほど続きました。頭痛薬で少し改善しますが、これが地味に辛いです。

上図は2回目の予防接種後の体温の推移を示したグラフです。図の青色部分は平熱レベルの体温域です(管理人の平熱は36℃台後半)。こうして推移を見ると波があることが分かりますね。ただし、接種を受けた人が全員こうなるという訳ではありません。その点は注意して下さい。

副反応の症状としては熱以外に片頭痛が出ました。痛み止めが必要なレベルで、日常生活を再開する上で厄介でした。ただ、咳や鼻水など他の症状はありませんでした。また今回、体のだるさはあまり強く出ず、注射部位の痛みは1回目に比べて半分以下の痛みで済みました。これは注射の打ち手の加減に依るところもありそうです。

私の身の回りでは副反応の重さは本当に人によってまちまちという感じでした。38~39℃程度の発熱は多かったようですが、私のように40℃近い高熱が出たというのは聞きませんでした。中には37℃の微熱+悪寒だけで済んだという人もいました。副反応の程度によって抗体価が変わることは無いらしいので、何だか損した感じがしますね…(笑)

もう一度言いますが、副反応の強さと獲得できる抗体価に相関関係はありません。この事実については以下の記事を参照して下さい。

 

 2回目の接種前に準備すべきもの

2回目の接種後に高熱が発生するケースが統計的に有意なのはデータから明らかなので、いざという時のために備えは万全にしておきましょう。特に一人暮らしの人は周りに看病してくれる人がいないことが多いので、事前の準備が大切だと思います。

管理人の経験を踏まえると、以下のものを用意すべきだと思います。

【2回目の接種前に用意すべきもの】
・温めるだけで済む消化に良い食べ物
・水、スポーツドリンク類
・タオル類
・綿製の下着類のストック
・解熱剤、痛み止め

人によっては全く副反応が出ない人もいるので準備が無駄になる可能性もありますが、高熱が出た場合に備えて十分な量の汗取り用の下着をストックしておくことが望ましいです。副反応が出ないと思われる方でも、ペットボトルの飲料水くらいは最低限用意しておいた方が良いかもしれません。

それから、これは管理人個人がお勧めすることですが、1回目の接種後に熱が出た人は、2回目の接種後、寝る前に解熱剤を服用しておくことをお勧めします。特に、仕事の都合で長期間休めない人は解熱剤の服用を検討した方が良いと思います。私は副反応がどんなものか興味があったので敢えて解熱剤を飲みませんでしたが、期待以上の高熱が出てしまいました(笑)。

 

 ワクチン接種は必要なのか?

予防接種の意義については管理人のCOVID-19ワクチン接種の記録(1回目)」のページで触れているので参考にして下さい。ここではそもそも論として、ワクチン接種の必要性についてワクチン支持派とワクチン懐疑派の立場から考えてみます


ワクチン接種のメリット

まず、ワクチン接種のメリットについて述べます。

※ワクチン懐疑派の方にも読んで頂きたい内容ですが、先に下段の「ワクチン懐疑派の方へ」から読んでも構いません。

以下の記事によると、結局のところ自然にコロナに罹るよりもワクチンによる予防接種の方が効果的に免疫が身に付けられることが解説されています。

以下はこの記事に掲載されている英国免疫学会が作成した図です。自然感染とワクチン接種の場合の影響の違いが比較されています。

図.自然感染とワクチン接種;忽那医師による翻訳版
(「COVID-19 immunity: Natural infection compared to vaccination」より)
(図の著作権は忽那医師、Yahooニュースに帰属します)

まず前提としてワクチンには「感染を予防する」および「重症化を予防する」という2つの直接的効果があります。ワクチンの接種で重い副反応が出るならば、コロナに感染したらもっと重い症状が出ていたはずです。それを予防できるというのは素晴らしい効果です。

※結局は程度の問題なので同じ効果と見なすこともできますが、世間的には「感染した状態」と「重症化した状態」は異なるという認識が多数派なので、それに合わせています。

それから、ワクチンは「感染を必ず予防できるものではない」ということを理解しましょう。現状におけるワクチンの効果はあくまでも「重症化を予防するためのもの」です(感染予防効果も勿論あります)。ここを勘違いして「ワクチンは役に立たない」といった言説を垂れ流している人々やそういった言説を支持する人々がいます。ワクチンは決して万能ではありませんが、そういった考え方を支持する方々は統計学を勉強された方が宜しいかと思います

ワクチンを打つ効果は決して個人的なものに限定されません。勿論、個人個人が体内に侵入してきたウイルスを撃退できる能力は上がるでしょうが、寧ろそれ以上にワクチン接種には社会的なメリットが大きいのです。

みんなが重症化しないことによってECMOやICUを使わずに済みます。それはつまり重症化する人が減れば看病に必要な医療従事者の数が減り、医療崩壊を防ぐことに繋がります。接種率が向上することで重症患者数が減少すれば医療従事者の負担が軽減でき、パンデミックに終わりが見えてくることで医療従事者の士気が維持できます。ひいては、医療提供体制の質向上にも繋がるのです。そして、予防接種によって重症化が抑えられることが統計的に分かっています。

現状では、社会生活を正常化する方策としてはワクチンによる集団予防接種しかありません。「自分はどうせ罹らないからワクチンを打たなくてもいいや」という根拠の無い考え方は、その人がいつかウイルスに罹るまで持ち続けることになります。バレるまで犯罪を繰り返す人間の心理と同じです。それでいて、いざ感染したときに医療機関に掛かって結局負担を掛けてしまうというのは社会的道義に反することではないでしょうか。

勿論、医療従事者の仕事は病人の治療な訳ですが、そこに限りあるリソースを割くのは社会的な損失と言わざるを得ませんし、何よりその罹患者自身の人生において多大な損失です。新型コロナウイルスがただの風邪ではない理由の一つは、後遺症が残るリスクが高いことです。この危険性を過小評価するのは文字通り致命的です。

また、体質的な理由からワクチンを接種したくてもできない人が世の中には多くいます。社会全体が集団免疫の獲得に近付くことで、こうした人々をコロナウイルスから守ることにも繋がるのです。

以上のことはワクチン接種が公共の福祉の向上に有効であることの根拠となります。


ワクチン懐疑派の方へ

ワクチンの有効性は様々なデータから立証されています。ただ、医療体制に余裕を生むことを目指すのが予防接種の社会的意義だとは理解できても、実際に自分がワクチン接種を受けたいかどうかは別問題、という人は少なくないでしょう。しかも、周り(SNS上を含めて)では軽くない副反応が沢山報告されている中で、です。

自分にとって未知のものは怖い、というのは人間の本能の一つです。それを初めから否定してしまっては科学コミュニケーションもへったくれもありません。そこに対して真剣に対応できない人は、たとえ正しい考えを持った医師といえどもリスクコミュニケーション能力が無いと言わざるを得ません。ワクチンデマ隊と同レベルです。

ワクチン接種に意欲的でない人は大まかに次のように分類できるのではないでしょうか。

① 副反応が嫌だ
② mRNAワクチン?ってなんか体に悪そう
③ 以前からワクチンは打たない主義
④ ワクチンには有害物質が入っている!
⑤ ワクチンは巨大権力の陰謀が絡んでいる!
… など

ワクチンについて不安をお持ちの方は、次のスレッドを読むことを強くお勧めします

ワクチンに不安のある人は、どうすればいいと思いますか?」(Quora)
Kenn Ejima ― Quoraエヴァンジェリスト

知識共有プラットフォーム「Quora」のエヴァンジェリストであるKenn Ejima(江島健太郎)さんが回答したスレッドです。科学的な見地に基づき中立の立場からmRNAワクチンについて解説したもので、ワクチンに対して漠然とした不安を抱えている人に是非読んで欲しい内容になっています。

また、先日SNS上でデルタ株の解説が評判となった諏訪中央病院の玉井道裕医師による解説PDFシリーズの「新型コロナウイルス感染をのりこえるための説明書(ワクチン編)」もビジュアル的に理解しやすくまとまっています。小学生向けの資料としても有用な資料ですが、決して子供向けと侮らず、参考にしてみて下さい。

新型コロナウイルス感染をのりこえるための説明書」(諏訪中央病院)玉井道裕 医師 ― 総合診療科医


「④ ワクチンには有害物質が入っている!」とか、「⑤ ワクチンは巨大権力の陰謀が絡んでいる!」などという論はYouTubeなどを中心に、国内外でそれなりに幅を利かせているようですが、これに関しては科学コミュニケーションが成り立つ場合とそうでない場合に分けて対処しなければならないと思います。

ワクチンに対する恐怖や嫌厭の心情は一般に理解できる自然なものですが、その根拠が科学的に不自然であるということ自体を人々が認識できない場合は説得が非常に困難です。そもそも人間の内面を変容させるコストは非常に高いので「自由な価値観」はある程度黙認するしかないでしょう。説得すればするほど余計な反発を招きかねないからです。これは別にワクチン接種の是非だけに留まりません。「新型コロナはただの風邪」論も科学的・統計的なデータを無視した同種の思想と言えます。

そうした「自由な価値観」と共存していくコストは結果的に社会全体で支払われます。今の日本社会の枠組みの中では、これはある程度仕方のないことです。私たちにできるのは、こうした根拠の無い噂や風説をしっかり根拠を示しながら否定して、可能な限り拡散しないように各自が注意し、丁寧に、そして地道に、科学的な見地に基づいて社会の多様な層の人々とコミュニケーションを取っていくことだけです。

 

 治療薬について

新型コロナウイルスの治療薬の開発状況は調べれば色々ヒットします。現状ではどの国においても特異的な有効性を持つ治療薬の完成には至っていないようです。

日本ではコロナ禍の割と初期から駆虫薬である「イベルメクチン」が治療薬として有望なのではないかという指摘がなされましたが、何らかの特異的な効果があったとする臨床研究はこれまでに存在しません。しかしここにきてイベルメクチンを有望視する勢力が盛り返してきており、イベルメクチンが承認されないのは自国の政府やコロナ特効薬を開発中の製薬会社、さらにはかつての開発元であるメルク社の利権が絡んでいるからだとする言説が世界中で飛び交っています。

※因みに、メルク社のアベルメクチン誘導体の製造に関連する特許は既に失効しており、誘導体の一種であるイベルメクチンは現在では世界の多くの地域でメルク社に関係無く製造可能になっています。

現在、イベルメクチンを求める人々が世界的に増加しており、品薄のあまり家畜用製品にまで群がっているという有り様です。アメリカ食品医薬品局(FDA)はこの事態に関して、次のようなtweetを投稿しています。

かなり語気の強い声明ですが、世界中で家畜用イベルメクチンが品薄になっている現状を懸念している様子が伝わってきます。今のところイベルメクチンの治験データが十分量蓄積されているとは言い難く、仮に有効性(と安全性)が認められるのであれば躊躇なく使用されるべきですが、本当に新型コロナウイルスに対して得意に有効であるか否かについてはまだまだ議論の余地があります。

なお、今年5月中旬以降のインドで急速に感染者数が減少したのはイベルメクチンの投与が理由ではなく、単に急激なデルタ株の蔓延に伴って国民の多くが集団免疫を獲得したためだと考えられています。つまり、医学的収束ではなく、単なる社会的収束だということです。その背後に夥しい数の犠牲者がいるということは指摘するまでもないでしょう。


科学の皮を被った何かがいわゆる「情弱ビジネス」を展開している光景は、今やインターネットの世界では珍しいものではありませんが、扇動者はあの手この手で人々の認知バイアスを巧みに利用し、単純で分かりやすい論調に靡きやすいという群衆の性質を己の利益に変換しています。人が自分の信じたいものを信じ込もうとするというのは、いつの世も変わりません。私たちは物事を客観的に、かつ多角的に眺める癖を付けて生活していかなければなりません。

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