一般項と和を区別し、項数・公差・公比を自分で点検できるようにします。
1.公式を「何回進んだか」で読む
初項を $a_1$ とする等差数列では、第1項から第 $n$ 項までの移動は $n-1$ 回です。したがって $a_n=a_1+(n-1)d$。等比数列は1回進むごとに $r$ 倍されるので $a_n=a_1r^{n-1}$ です。$r=0$ の場合は第2項以降がすべて0となり、初項は別に扱えば $0^0$ を書かずに済みます。
等差数列の和は、逆順に並べて足すと各組が $a_1+a_n$ になるため、$$S_n=\frac{n(a_1+a_n)}2=\frac n2\{2a_1+(n-1)d\}$$ です。等比数列の和は $S_n-rS_n=a_1-a_1r^n$ から、$$S_n=\begin{cases}a_1(1-r^n)/(1-r)&r\ne1,\\na_1&r=1.\end{cases}$$ と導けます。$r=1$ を、分母が0になる公式に代入してはいけません。
2.例題で添字と条件を確かめる
例題1:途中の項から復元する
等差数列で $a_4=11,\ a_9=26$ とします。2つの項の差は5回分の増分なので $5d=15$、よって $d=3$。$a_1=11-3d=2$ です。したがって $a_n=3n-1$、$S_{20}=20(2+59)/2=610$。第4項と第9項を両端として数えた「6項」と、移動回数「5回」を混同しないことが要点です。
例題2:公比の符号を落とさない
実数の等比数列で $a_2=6,\ a_4=24$ とすると $r^2=4$ です。よって $(a_1,r)=(3,2)$ または $(-3,-2)$。前者の $S_4=45$、後者の $S_4=15$ となります。「公比は2」と決めるには、各項が正などの追加条件が必要です。
例題3:等差×等比の和
$T_n=\sum_{k=1}^n k2^{k-1}$ を求めます。$2T_n$ と $T_n$ の添字をそろえて引くと、$$T_n=n2^n-\sum_{k=1}^n2^{k-1}=n2^n-(2^n-1)=(n-1)2^n+1.$$ 項を実際に3つほど展開すると、最後の $n2^n$ の符号を確かめやすくなります。これは後の「部分和分」にもつながる考え方です。
3.答案と検算のポイント
一般項は $n=1$ と与えられた添字に代入します。和は $S_1=a_1$ と $S_n-S_{n-1}=a_n$ の両方を確認します。$\sum_{k=m}^{n}$ の項数は $n-m+1$ です。有限和の公式と無限和の公式は別で、無限等比級数を $a_1/(1-r)$ とできるのは $|r|<1$ のときです。ただし初項が0ならすべての項が0です。
作問者の視点――条件と解法の関係
確認演習と解答
まず方針と必要な条件を言葉にしてから計算してください。解答は開いて確認できます。
演習1 等差数列で $a_3=8,\ a_7=20$。$a_n,S_{10}$ を求めよ。
解答・考え方を開く
$4d=12$ より $d=3,a_1=2$。$a_n=3n-1$、$S_{10}=10(2+29)/2=155$。
演習2 $\sum_{k=0}^{n}3\cdot2^k$ を求めよ。
解答・考え方を開く
項数は $n+1$。和は $3(2^{n+1}-1)$。$n=0$ のとき3になることを確認します。
演習3 $a_1=2,r=-1$ の等比数列について $S_n$ と収束性を述べよ。
解答・考え方を開く
$S_n=1-(-1)^n$。奇数番目は2、偶数番目は0なので、$n\to\infty$ で収束しません。
関連する解説
参考資料
定理・基本的な方法の確認に使える公開教材です。本ページの例題・演習・作問上のコメントは、解説用に独自に構成しています。
