2026年10月7日、ノーベル化学賞の受賞者として、フランスのアンリ・B・カガン(Henri B. Kagan)氏と、東京理科大学名誉教授の硤合憲三(そあい・けんそう、Kenso Soai)氏が発表されました。受賞理由は「不斉有機合成における非線形効果と自己触媒の発見」です。[1]
私たちの右手と左手は、鏡に映すと同じ形に見えますが、向きを変えるだけではぴったり重なりません。分子にも、このような「右手型」と「左手型」があります。今回の研究が示したのは、両者のごくわずかな量の差を、化学反応によって大きく増幅できるということです。分子の形の違いから、反応の仕組み、生命との関係までを順に説明します。
何がノーベル賞の対象になったのか

(スウェーデン王立科学アカデミーの公式発表より転載)
©Johan Jarnestad/The Royal Swedish Academy of Sciences
二人の研究を理解するには、「最初にある左右の偏り」と「反応後に得られる左右の偏り」を比べると分かりやすくなります。カガン氏らは1986年、反応を助ける触媒側の偏りと、できた物質の偏りが、単純な比例関係にならない場合を示しました。条件によっては、触媒側の偏りから予想する以上に、一方の鏡像の分子を多く作れます。これが今回評価された非線形効果です。[2][3]
硤合氏らは、反応でできた物質が、自分と同じ物質を作る反応の触媒として働く不斉自己触媒反応を研究しました。1995年には、この反応と左右の偏りの増幅を組み合わせた成果を報告しています。できた物質を次の反応に使えば、量を増やしながら、左右の一方へさらに偏らせることが可能になりました。[4]
カガン氏の非線形効果と硤合氏の自己触媒は、同じ意味の言葉ではありません。前者は「偏りがどのように伝わるか」、後者は「何が反応を促すか」に関する性質です。硤合反応では、両方の性質が組み合わさることで、ほとんど一方の鏡像だけからなる状態へ近づけます。
分子には「右手」と「左手」がある
分子の性質は、どの原子を何個含むかだけでは決まりません。原子がどの順につながり、空間のどちらを向いているかも関係します。構成する原子と結合のつながり方が同じでも、鏡に映した構造と重ね合わせられない分子があります。この性質をキラリティ、互いに鏡像の関係にある二つの分子をエナンチオマー(鏡像異性体)と呼びます。ここでの「右手・左手」は、立体構造の関係を伝えるためのたとえです。[2][10]

(公式の一般向け解説・図2より転載。画像を押すと拡大)
©Johan Jarnestad/The Royal Swedish Academy of Sciences
図の上段にあるL-アラニンとD-アラニンは、互いに鏡像の関係にあります。一方、下段では、アラニン、ロイシン、バリンという異なるアミノ酸が、いずれもL型でそろっています。このように、生体を構成する分子群で立体配置が一方にそろっていることをホモキラリティといいます。生物のリボソームが通常合成するたんぱく質では、キラルな構成アミノ酸は基本的にL型、DNAやRNAを構成する糖はD型です。ただし、グリシンはキラルではなく、生物中にはD型アミノ酸も存在するため、「生物には反対向きの分子が一切ない」という意味ではありません。
この違いが薬づくりなどに関係するのは、分子を受け取るたんぱく質自体にも立体構造があるからです。右手用の手袋に左手がうまく収まらないように、鏡像異性体の一方が結合しやすく、他方は結合しにくい場合があります。その結果、効き方や代謝などが異なることがあります。どちらかが必ず有効で、もう一方が必ず有害だという一律の規則ではありません。[10]
なお、L・DやR・Sは立体配置を区別する表記で、同じ命名規則ではありません。また、L型だから必ず光の偏光面を左へ回す、という意味でもありません。本記事では、記号の暗記よりも「鏡像関係にある分子を、生体や触媒が区別できる」という関係を押さえておけば、以下の説明を理解できます。
カガン氏の発見:偏りは比例して伝わるとは限らない
触媒は、反応の経路を変えて反応を速め、触媒として働く一巡の過程では再生される物質です。立体的な偏りを持つ触媒を使うと、二つの鏡像異性体のうち一方ができる反応を、より進みやすくできます。このように、一方を優先して作る方法を不斉合成と呼びます。
左右の偏りは、エナンチオマー過剰率(ee)という数値で表せます。二つの鏡像異性体の合計を100%としたとき、それぞれの割合の差を取ったものです。51対49なら2%ee、75対25なら50%ee、半々なら0%eeになります。eeは「多い方が全体の何%あるか」とは別の数値です。[5]
ee(%)=|右手型の割合(%)−左手型の割合(%)|
触媒側の左右の成分が互いに影響せず、独立して働く単純な場合には、触媒側のeeを半分にすると、生成物のeeも半分になると予想できます。この比例関係が「線形」です。厳密には、金属触媒に結合するキラルな分子、すなわち配位子のeeと、生成物のeeを比べます。両者の値が常に等しいわけではなく、純粋な一方の配位子を使ったときの選択性が比例係数になります。[2]

(公式の一般向け解説・図4より転載。画像を押すと拡大)
©Johan Jarnestad/The Royal Swedish Academy of Sciences
ところが、複数の配位子が一つの金属に結合すれば、「右・右」「左・左」「右・左」という異なる組み合わせができます。図のモデルでは、右75%・左25%の配位子が無作為に二つずつ組になると、右右が56.25%、左左が6.25%、右左が37.5%です。ここで右左の組がほとんど働かず、右右と左左が同じ活性を持つとすると、よく働く組だけの比率は9対1になります。(ただし、図中の割合は近似的なもので、仕組みを説明する理想化した例と考えてください)
カガン氏らは、実際の不斉反応で比例関係からのずれを示し、触媒の組み合わせと活性の違いから説明しました。生成物の偏りが比例関係からの予想より大きくなる場合は「正の非線形効果」、小さくなる場合は「負の非線形効果」です。非線形なら必ず増幅するわけではないものの、正の効果は小さな偏りを大きくする仕組みになります。[2][3]
正の非線形効果は、生成物が自己触媒として働かない反応でも起こります。触媒成分がどのような組み合わせで集合し、どの状態で反応を促すかによって、左右の偏りの伝わり方が変わるためです。代表的な二つの仕組みを見てみましょう。ここでは、鏡像関係にある触媒成分をR型とS型と呼びます。
単量体が触媒として働く場合:リザーバー効果(Reservoir Effect)
触媒成分が一つずつの状態、つまり単量体として反応を促す場合を考えます。R型とS型が組み合わさったRS二量体が、RRやSSの二量体より安定で、触媒としてほとんど働かないとします。RS二量体にはR型とS型が一つずつ取り込まれます。例えばR型が多数派なら、同じ数を取り込まれても、少数派のS型の方が、もとの量に対して取り込まれる割合は大きくなります。その結果、触媒として働ける単量体の集団ではR型の割合が高まり、生成物の偏りも大きくなり得ます。これがリザーバー効果による不斉増幅です。ただし、S型がすべて取り込まれるとは限りません。単量体と二量体の間に平衡がある場合、それぞれの量は、集合しやすさや濃度などによって決まります。分子が消滅したり、触媒全体に含まれるR型とS型の総量の比が変わったりするわけではありません。
二量体が触媒として働く場合:組み合わせによる活性の違い
一方、二つの触媒成分が結び付いた二量体そのものが、反応を促す場合もあります。同じ型同士のRR・SS二量体と、異なる型が組み合わさったRS二量体では、触媒活性が異なることがあります。例えば、RRとSSがそれぞれ反対側の鏡像異性体を優先して作り、RSはほとんど反応を促さない場合を考えます。R型が多数派なら、RRはSSより多く形成されます。生成物の形成に主に寄与するのがRRとSSであれば、その数の比は、最初に加えたR型とS型の比より大きく偏ることがあります。このため、生成物のeeが、単純な比例関係から予想される値を上回ります。この説明では、多数派のRRが少数派のSSより一つ当たり強く働くと仮定する必要はありません。RRとSSが同じ触媒活性を持っていても、形成される量の違いと、RSの触媒活性の低さによって、不斉増幅を説明できます。
自分を作る反応を自身が促す「自己触媒」
普通の触媒反応では、触媒と生成物は別の物質です。これに対して自己触媒反応では、生成物が、自分と同じ物質を原料から作る反応を促します。生成物が増えると触媒として働く成分も増えるため、原料が十分にある間は、反応が進むほどさらに進みやすくなる場合があります。何もないところから分子が増えるのではなく、原料を消費して新しい分子を作っています。
さらに、右手型の生成物が右手型を、左手型が左手型を優先して作る反応を促せば、不斉自己触媒になります。ただし、それだけで左右の割合まで変わるとは限りません。たとえば、右が51個、左が49個あるところから、両方が同じ倍率で2倍になれば、102対98で比率は51対49のままです。できた量が増えることと、偏りが増えることは区別する必要があります。
硤合氏らが1995年に報告した反応では、窒素を含む環を持つアルデヒドと、ジイソプロピル亜鉛という試薬を反応させると、キラルなアルコールが得られます。反応液中では、この生成物に由来する亜鉛アルコキシドが触媒として働き、同じ立体配置の生成物を優先して増やします。この系では左右の偏りも増幅されました。これが硤合反応(Soai reaction)として知られる反応です。[4][6]
触媒が実際にどのような集合体を作り、原料をどの向きで受け入れるかは、発見後も研究されてきました。分光測定、反応速度の解析、結晶構造解析、計算化学などから機構が検討され、複数のモデルが提案されています。先ほどの「二つずつ組になる」という図は非線形効果を理解するためのモデルであり、そのまま硤合反応のすべての分子過程を表しているわけではありません。[2][9]
硤合反応:僅かな偏りが増幅する
1995年の発見後、硤合氏らは分子の構造などを変え、偏りをさらに強く増幅する反応を調べました。2003年の佐藤格氏、硤合氏らの論文では、約0.00005%eeから、3回の連続した不斉自己触媒反応によって99.5%ee超へ増幅した結果が報告されています。各回で得た生成物を次の反応の触媒に使い、原料を供給して反応を続けた実験です。[7]
| 段階 | 論文で示されたee | 二つの鏡像異性体の割合に換算すると |
|---|---|---|
| 反応開始時 | 約0.00005%ee | 約50.000025% vs 49.999975% |
| 3回の反応後 | 99.5%ee超 | 多い方が99.75%超、少ない方が0.25%未満 |
表の右列は、論文のeeから定義に従って換算した値です。出発時の割合をこの桁数で直接測定したという意味ではありません。論文では、左右が等量の試料に、ごく少量の一方の鏡像異性体を加えて、極めて小さい既知の偏りを調製しています。また、99.5%eeという値は、反応収率が99.5%であることを意味しません。どれだけ作れたかを表す収率と、左右の比率を表すeeは、別の指標です。[5][7]
この結果が示すのは、最初からほぼ純粋な一方の分子を大量に用意しなくても、ごく小さな偏りを出発点にして、ほぼ一方だけの生成物へ近づけるということです。ただし、どのような分子でも同じ増幅が起こるわけではありません。ここで示されたのは、特定の分子構造と反応条件で達成された結果です。
不斉触媒でラセミ体のキラリティが偏る
前節の実験では、実験者がごく小さな偏りをあらかじめ用意していました。では、左右どちらかを選ばせる物質を最初に加えなければ、どうなるのでしょうか。
左右の分子を等しい確率で作る反応(生成物がラセミ体になる反応)でも、分子の数が有限であれば、生成した数が毎回ぴったり同じになるとは限りません。硬貨を100回投げても、表と裏が必ず50回ずつにはならないのと同じです。ただし、通常の反応のように分子の数が非常に多い場合、この偶然の差は全体に対する割合として極めて小さくなります。
硤合氏らは2003年の別の論文で、キラルな物質を加えずに反応を始め、その後に不斉自己触媒反応を組み合わせる実験を行いました。その結果、R型またはS型のどちらかに偏った生成物が得られました。公式の専門解説によると、37回の実験のうちR型が優勢だったのが18回、S型が優勢だったのが19回で、生成物のeeは15~91%でした。なお、この実験と、前節で紹介した「約0.00005%eeから99.5%ee超」になった実験は、出発条件が異なる別々の結果です。[2][8]
これらの結果は、最初の微小なゆらぎを反応が増幅し、左右の対称性が破れ得ることを支持しています。ただし、「右が常に優勢になる」といった法則を示すものではありません。どちらが優勢になるかは実験ごとに変わります。実験全体で見れば左右がほぼ同数でも、個々の反応液の中では、どちらか一方に偏っていきます。
一方で、これほど敏感な反応では、ごく微量のキラルな不純物でも結果に影響する可能性があります。そのため、「何も加えなかった」というだけで、偏りの起点が偶然だったと断定することはできません。左右どちらも生じることや、繰り返し行った実験での結果の分布などを調べ、意図しない外部からの偏りと区別する必要があります。[6][8]
創薬や過去のノーベル賞との繋がり
薬や香料などでは、目的とする鏡像異性体を選んで作る技術が役立ちます。非線形効果を調べると、触媒に含まれる左右の成分が独立して働くのか、集合体や複数の触媒が関わるのかを考える手掛かりになります。触媒の組成を変えて反応速度や生成物の比率を測ることで、反応条件を改良するための情報が得られます。ただし、eeのグラフだけで反応機構が一意に決まるわけではありません。[2]
不斉合成は、過去にもノーベル化学賞の対象になっています。今回の研究との関係は、次のように整理できます。
| 受賞年・研究者 | 評価された成果の焦点 |
|---|---|
| 2001年:ウィリアム・ノールズ氏、野依良治氏、バリー・シャープレス氏 | キラルな触媒を用いた水素化反応と酸化反応。一方の鏡像異性体を優先して合成する触媒反応の発展。[10] |
| 2021年:ベンジャミン・リスト氏、デイビッド・マクミラン氏 | 不斉有機触媒の開発。有機分子を触媒として用いる不斉合成の発展。[11] |
| 2026年:アンリ・B・カガン氏、硤合憲三氏 | 不斉有機合成における非線形効果と自己触媒の発見。偏りが伝わり、増幅される仕組みの解明。[1] |
なお、太字は受賞当時に日本の大学に籍を有する研究者です。いずれの年も日本に縁のある研究者が受賞していることは日本の科学界(化学界)の誇るべき実績と言えます。
今回評価された非線形効果は、不斉触媒反応を理解し、設計するための基本となる考え方です。一方、硤合反応は、強い不斉増幅と自己触媒が実際に両立することを示しました。この二つを「薬を作るのに便利な反応」とまとめてしまうと、硤合反応の本当の価値が捉えにくくなります。その価値とは、化学反応だけで左右の偏りが育つと示したことです。したがって、医薬品づくりとの関係と、ホモキラリティの起源に関わる意味は、分けて考える必要があります。
生命の起源について何が分かり、何が残るのか
生命のホモキラリティを説明するには、小さな偏りがどのように生まれ、その偏りがどう増幅され、生命を構成する分子群へ引き継がれたのかを考える必要があります。硤合反応は、このうち微小な差を化学反応で増幅し、一方の鏡像異性体に強く偏った状態へ進めることを、実験で示しました。つまり「硤合反応」の素晴らしい点は、生命の力(酵素など)を借りなくても、単なる化学反応だけで「最初はわずかな偏りでも、一気に片方へと大きく増幅される」ことを実験で証明したことにあります。[2][4]
ただし、これで生命の誕生がすべて解明されたわけではありません。理由は以下の通りです。
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物質が違う: 実験でできた物質は、実際の生命が使っているアミノ酸やDNAの糖とは別のものです。
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環境が違う: 実験には水に弱い薬品(有機亜鉛試薬)を使っているため、海(水)があった原始地球の環境で、全く同じ反応が起きたとは考えられません。
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ノーベル委員会も、この成果はあくまで「偏りが増幅される仕組み(原理)を証明したもの」であり、地球上の生命誕生を直接説明するものではないとしています。[2]
実際に地球上の生命がどう誕生したかを知るには、まだ次のような課題が残っています。
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原始地球にあった原料や環境でも、同じように偏りの増幅が起きるのか?
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その偏りが、他の分子にも次々と伝わっていくのか?
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なぜ現在の生命は「左型のアミノ酸」と「右型の糖」を選んだのか?
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つまり、「片方に偏る仕組みを実験で作り出せたこと」と、「地球の生命が実際にたどった歴史を突き止めたこと」は、別のゴールなのです。
今回の成果によって、分子の左右の比率を、最初の条件がそのまま決める固定的なものとして扱う必要はなくなりました。触媒どうしの相互作用と、生成物がさらに生成物を作る反応が組み合わされば、当初は見分けにくい差でも、大きな組成の違いになり得ます。カガン氏と硤合氏の研究は、その過程を実験と反応機構の言葉で検討できるようにしたものです。
参考資料
受賞者・受賞理由はスウェーデン王立科学アカデミーの公式発表、反応の説明は同委員会の専門資料と原著論文を中心に確認しました。本文の番号は以下に対応します。
- スウェーデン王立科学アカデミー:The Nobel Prize in Chemistry 2026(2026年10月7日)。受賞者・所属・正式な受賞理由と、公式イラストの利用条件。
- ノーベル化学委員会:Scientific Background — Non-linear effects and autocatalysis in asymmetric organic synthesis(2026年10月7日)。非線形効果の定義とモデル、硤合反応の研究史、機構に関する複数の提案、生命の起源との関係。特にpp. 5–7、10–15を参照。
- Puchot, C.ほか(1986):Nonlinear effects in asymmetric synthesis. Examples in asymmetric oxidations and aldolization reactions。Journal of the American Chemical Society 108, 2353–2357。カガン氏らによる非線形効果の原著。実験内容とモデルは公式専門資料[2]とも照合。
- Soai, K., Shibata, T., Morioka, H., Choji, K.(1995):Asymmetric autocatalysis and amplification of enantiomeric excess of a chiral molecule。Nature 378, 767–768。不斉自己触媒とee増幅を組み合わせた原著。
- IUPAC Gold Book:enantiomeric excess。eeの定義。本文の割合への換算は、この定義に基づく計算。
- 硤合研究室:Asymmetric autocatalysis and the origin of homochirality of biomolecules。研究当事者による、自己触媒・不斉増幅・対称性の破れの解説。
- Sato, I., Urabe, H., Ishiguro, S., Shibata, T., Soai, K.(2003):Amplification of Chirality from Extremely Low to Greater than 99.5% ee by Asymmetric Autocatalysis。Angewandte Chemie International Edition 42, 315–317。約0.00005%eeから99.5%ee超への増幅と、出発試料の調製。
- Soai, K.ほか(2003):Asymmetric synthesis of pyrimidyl alkanol without adding chiral substances by the addition of diisopropylzinc to pyrimidine-5-carbaldehyde in conjunction with asymmetric autocatalysis。Tetrahedron: Asymmetry 14, 185–188。著者所属大学の書誌・抄録。37回の実験の内訳とee範囲は公式専門資料[2]のp. 13とも照合。
- Athavale, S. V., Simon, A., Houk, K. N., Denmark, S. E.(2020):Demystifying the asymmetry-amplifying, autocatalytic behaviour of the Soai reaction through structural, mechanistic and computational studies。Nature Chemistry 12, 412–423。分光・反応速度・計算化学を組み合わせた反応機構の研究例。
- NobelPrize.org:2001年ノーベル化学賞公式発表。触媒的不斉合成の意義と、水素化・酸化反応に対する受賞。
- NobelPrize.org:2021年ノーベル化学賞公式発表。不斉有機触媒の開発に対する受賞。
- スウェーデン王立科学アカデミー:They solved chemistry’s asymmetric mystery(2026年)。掲載した公式図2・図4の出典。本文では、eeと各鏡像異性体の含有率、立体配置と旋光方向を区別して説明した。
資料確認日:2026年10月7日。受賞理由の日本語表現は公式英文の訳です。実験の数値は引用した論文・公式専門資料の条件に基づき、原始地球で同じ反応が起きたと実証されたことを意味しません。公式イラストは改変せず掲載し、画像直下に出典と著作権者を明記しています。

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