ピタゴラス数という単語を聞いたことがある人は多いと思いますが、これを無数に生成する方法を導出できる人はそれほど多くないのではないでしょうか。問題#14は互いに素なピタゴラス数が無数に存在することを証明させる問題でした。
《問題#15》
等式 $3p^2+4q^2=5r^2$ を満たす互いに素な自然数 $p$、$q$、$r$ の組は無数に存在するか。
(創作問題)
今回もピタゴラス数・・・?と思いきや、何やら一味違う問題です。割と有名な話題なので、これも知識問題に入る部類かもしれませんね。
前回に引き続き、本問は証明問題なので解答は次回に。
創作整数問題#14(解き方)
問題#14はピタゴラス数の構成法に関する出題でした。案外解けなかった人も多いのでは・・・?
等式 $p^2+q^2=r^2$ を満たす互いに素な自然数 $p$、$q$、$r$ の組が無数に存在することを示せ。 |
広く一般に知られている方法で「公式」を導いてみましょう。
$p^2+q^2=r^2$ を次のように変形します。
$p^2=r^2-q^2$ $\therefore p^2=(r+q)(r-q)$
両辺を$p$で割ると、$$\therefore 1=\left(\dfrac{r}{p}+\dfrac{q}{p}\right)\left(\dfrac{r}{p}-\dfrac{q}{p}\right)$$となります。ここで$\dfrac{r}{p}=u$、$\dfrac{q}{p}=v$とおくと、$$1=(u+v)(u-v)$$となります。$u+v$、および $u-v$ はともに有理数であり、掛け合わせると$1$になるため、互いに逆数の関係にあります。そこで自然数$s、t$を用いて $u+v=\dfrac{s}{t}$ とおくと、$$\begin{cases} u+v=\dfrac{s}{t} \\ u-v=\dfrac{t}{s} \end{cases}$$となりますから、これを解いて$$\begin{cases} u=\dfrac{1}{2}\left(\dfrac{s}{t}+\dfrac{t}{s}\right)=\dfrac{s^2+t^2}{2st} \\ v=\dfrac{1}{2}\left(\dfrac{s}{t}-\dfrac{t}{s}\right)=\dfrac{s^2-t^2}{2st} \end{cases}$$を得ます。よって $p^2=r^2-q^2$ より$$x:y:z=2pq:p^2-q^2:p^2+q^2$$となりますから、互いに素な $p$、$q$ $(p>q)$を与えてやると無数に互いに素なピタゴラス数が得られます。
(コメント)
解答例の方法は紀元前から伝わるピタゴラス数の生成方法だと言われています(本当かな・・・?)。単位円と直線の傾きなどから導いても全く構いません。
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