べき乗が階乗で割られた形の数列からなる無限級数に関する面白い性質を紹介します。
とある無限級数の問題
早速ですが、次の問題に取り組んでみます。
《問題》
無限和
高校生向けの問題とは言えませんが、とても面白い問題です。少し考えてみて下さい。
以下、マクローリン展開を用いて求めてみます。
ここでは前提として
この式の両辺に対して
最後の式に対して
つまり、この問題の答えは
問題を一般化してみる
上記の式変形を応用すれば分子がより高次の級数の極限値も求めることができます。
例えば、
ここで右辺の係数に興味が湧くのは自然でしょう。この数列は
事実、規則性は存在するのですが、これを見出すのは知識が無ければなかなか難しい作業です。
結論から言うと、右辺の多項式の係数は「第2種スターリング数」という数列になっています。
第2種スターリング数とベル数
第2種スターリング数を小さい
一般に第2種スターリング数の和について次の関係式が成立します。
ベル数を分かりやすく説明すると「
さて、このベル数は
小さい
(コメント)
厳密には証明していませんが、第2種スターリング数を経由して一般化した公式が導けました。勉強ばかりしていると数学を目の敵にする人が多くなってしまいますが、こういう事実を美しいと感じて頂ければ幸いです。たまには息抜きも必要ですね。
次回はこの無限級数をさらに発展させてみます。
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