創作整数問題#75解法&創作整数問題#76

明けましておめでとうございます。🎍

長いようで短かった2020年が終わりました。昨年は新型コロナウイルスの世界的流行で経済的にも精神的にも多くの損失が生じました。一方で既存のシステムや文化が大きな変革に迫られ、新しい技術や価値観の萌芽が垣間見えた年でもありました。今年もまた色々なことが待ち受けているでしょうが、より一層広い視点から物事を眺められるように心掛けたいですね!

余談ですが、$2021$は$$\begin{align} 2021 &=2025-4 \\ &=45^2-2^2 \\ &=(45-2)(45+2) \\ &=43 \times 47 \end{align}$$と隣接する素数の積に分解できます。$20$と$21$のように隣接する整数を組み合わせてできる4桁の整数で隣接する素数の積として表せるものは$2021$のみです。


創作整数問題#76


《問題#76》

$76^n-76n$ が$20$でも$21$でも割り切れる正の整数となるような最小の正の整数$n$を求めよ。

(創作問題)


問題#76と西暦に掛けた問題にしてみました。よくあるタイプの剰余に関する整数問題です。

 

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答えは $\color{red}{n=76}$ です。

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創作整数問題#75(解き方)


$a \geqq b \geqq c$ を満たす正の整数$a$、$b$、$c$に対して、方程式$(*)$を考える。$$(*):\quad a^{3}+b^{3}+c^{3}=(a b c)^{2}$$以下の問いに答えよ。

(1)$c=1$ を示せ。

(2)方程式$(*)$を満たす組$(a,b,c)$をすべて求めよ。


ディオファントス方程式の問題です。不等関係から解の範囲を絞り込みましょう。$a$を上から抑え込むことができれば勝ちです。誘導設問を付けたので難度は控えめになっているはず…。

解答例

 

(1)

$$3 a^{3} \geqq a^{3}+b^{3}+c^{3}>a^{3}$$が成り立つから、$(*)$より $3 a^{3} \geqq (a b c)^{2}>a^{3}$ が成り立つ。この各辺を$a^2$で割って$$3 a \geqq b^{2} c^{2}>a \quad \cdots ①$$となる。

 

また、$$b^{3}+c^{3}=a^{2}\left(b^{2} c^{2}-a\right) \geqq a^{2} \quad \cdots ②$$が成り立つから、$$\begin{align} 18 b^{3} &\geqq 9(b^{3}+c^{3}) \\ &\geqq 9 a^{2} \quad (\because ②)\\ &\geqq b^{4} c^{4} \quad (\because ①) \\ &\geqq b^{3} c^{5} \quad (\because b \geqq c)\end{align}$$となる。したがって、$18 \geqq c^5$ より $c=1$ を得る。

 

 

(2)

$c=1$ より方程式$(*)$は$$a^{3}+b^{3}+1=a^{2} b^{2}$$と書き直せる。$a=b=1$ は方程式$(*)$を満たさないので $a \geqq 2$ の場合を考えればよい。$(*)$の両辺を$a^2$で割ると$$\begin{align} b^{2}&=a+\frac{b^{3}+1}{a^{2}} \\ &\leqq 2 a+\frac{1}{a^{2}} \quad (\because b^3 \leqq a^3) \end{align}$$となり、$a$、$b$は整数なので$$b^2<2a \quad \cdots ③$$を得る。また、式$(*)$より$$b^{3}+1=a^{2}(b^{2}-a)$$と変形すると、両辺正より $b^{2}-a \geqq 1$ であるから$$b^{3}+1 \geqq a^{2}$$となるので、これと③を使って$$(2 a)^{3 / 2}+1 \geqq b^{3}+1 \geqq a^{2}$$となる。よって$$\therefore \ (2 a)^{3 / 2} \geqq a^{2}-1$$ $$\therefore \ 8 a^{3} \geqq a^{4}-2a^{2}+1>a^{4}-2a^{2}$$ $$\therefore \ a^{2}(a^{2}-8 a-2) < 0 $$が必要となるから、$$a \leqq 8$$を得る。したがって $2 \leqq a \leqq 8$ の場合について条件③および方程式$(*)$を満たすような正の整数$b$を与える$a$を見つければ良く、$a=3$ のみが得られる。

 

以上より、$$(a,b,c)=\color{red}{(3,2,1)}$$が求める組である。

 


 

複数の変数が存在するディオファントス方程式の問題では対称性を考えて不等関係を導入できないかをまず考えます。本問では既に問題文中に不等関係が与えられており、誘導設問も付いているので、$c$の取り得る値から絞り込むことになります。

(1)にも(2)にも上記の方法以外の別解が幾つか考えられると思います。文字の中で最も「可動域」が広い$a$の上限を定数で押さえられれば、後はシラミ潰しに探していけばOKです。なお、初めに $c=1$ であることを突き止めておかないと可能性のある$a$の候補が$100$個を超えてしまいます。なるべく与方程式を簡単な形に直して考えることは重要です。

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